「会議中にスマホを見る上司」が失っているもの 自分の役割をよくわかっていないのか

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ある小売業のCEOは、自分の揺らぎを見つけると、次に相手と話すときにはその問題を解決していた。彼の揺らぎは「共感」だった。そこで、相手の目を見て話す、よりよい質問に変える、会話中にスマホを見ないといったことに気をつけると、それだけでチームとの関係が改善したのだ。

いつも自分のことばかりで他人のことを考えないと周りから思われているなら、あなたの揺らぎはおそらく「共感」だろう。この種の印象を与えるのは大きな障害になる。自己中心的なリーダーについていきたいと思う人はめったにいないからだ。

分析能力と学習意欲が高い人は、共感が揺らぎになることが多い。彼らにとって、退屈は最大の敵であり、いついかなる場合であろうともあらゆる手段を講じて打ち倒さなければならない。長い行列に交通渋滞。先が読めるテレビドラマ。そして理解が遅い同僚とのミーティング。

「頭がよすぎる人」の苦悩

現代社会もこの傾向に拍車をかけている。私たちは24時間戦うことが求められ、デジタル機器の誘惑にもつねにさらされている。さらに「回復」のためにまとまった時間を取ることができないので、1日を通して細切れの時間を回復にあてることになる。その結果、エンパワーしなければならないまさにその相手と話しているときに、イライラして八つ当たりしてしまったりするのだ。

最近は広い部屋に大勢が集まるオープンオフィスが流行しているが、たしかに実用的でデザイン性も高いとはいえ、オープンオフィスだからこその問題もある。大勢の人と場所を共有していると、つねに誰かから話しかけられるため、1人になって落ち着くことができないからだ。

共感の揺らぎという問題がある人には、集団の中での自分の行動、特に自分以外の人が発言しているときの行動をよく観察するようにアドバイスしている。

一般的なミーティングを思い浮かべてみよう。信頼の揺らぎがある人は、ミーティング開始直後に集中力が最高潮に達する(何かを学べそうだ!)。しかし、だいたいの内容を把握し、自分の発言が終わるとすぐに興味を失い、その後はミーティングがやっと終わってくれるまで集中力は低いままだ。

著者たちは、この極端な曲線を「ASS」(「頭がよすぎる人の苦悩」という意味の「Agony of the Super Smart」の頭文字)と呼んでいる。他の人たちよりも先に何かを理解したとき、あなたはどんなシグナルを送っているだろう? 考えられる可能性は無数にある。ミーティング中に他の作業を始める、あからさまに退屈そうな顔をする、あるいはすぐにスマホを見る。

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