年収750万円の妻が溺愛する「11歳上の夫」の美点 「妻と死別した夫」と「最初は二股だった妻」との縁

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両親からは「あなたはちゃんと生きて、東京に出て活躍しなさい」と励まされたという典子さん。進学先は東京の専門学校を選び、「雑草枠」で大手メーカーに就職。上昇志向と依存心が入り交じるような社会人生活だったようだ。

「総合職と同じような仕事をさせてもらい、先輩社員とお付き合いを始めました。国立大学の大学院卒で、身長184センチのハイスペ男性です。30代半ばだったので年収は600万円ほどでしたが、あの会社は福利厚生が充実していて社宅にも入れます。かなりいい生活ができるな、とふんでいました」

計算高さを隠さない典子さん。ちなみに啓介さんの身長は172センチで、「お父さんと同じです」と典子さんは笑う。理想と現実はこんなところにも表れるのかもしれない。

前の奥さんの話ばかりする啓介さんにビシっと一言

典子さんはいつか海外で働いてみたいという望みがあり、海外経験が長くて会社も経営している啓介さんに最初から興味を持った。そして、単なる飲み仲間なのに体調が悪いときは差し入れもしてくれる啓介さんの優しさに心惹かれ始めた。

「その頃、ハイスペ彼氏は東北転勤になってしまってなかなか会えなくなりました。私は東北に戻るつもりはありません。いま住んでいる町が大好きなので、できればここでずっと暮らしたいと思っています。

でも、啓介さんは私と仲良くなってからも前の奥さんの話をすることが多くて、すごく嫌でしたね。『不可逆的な思い出の中で人生を過ごすのか、私と結婚して新しい人生を歩むのか、どっちかを選んでください!』と言いました。それでようやく私を見てくれるようになったんです」

なかなかカッコいいエピソードであるが、そのときの典子さんはいわゆる二股状態である。啓介さんに決断を迫る資格はない。そのことを指摘すると、典子さんは「でも、前の彼とはすぐに別れました」と声が小さくなり、啓介さんは「そうなんです。ありがとうございます!」と今日いちばんの笑顔を見せてくれた。

啓介さんと結婚した典子さんは、会社を辞めて専業主婦になった。キャリアアップと同じぐらい、主婦として家庭を守ることが夢だったからだ。しかし、コロナ禍もあって啓介さんの仕事が立ち行かなくなってしまう。ついに収入ゼロになったとき、「さすがにやべー」と典子さんは再就職を決意した。

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