年収750万円の妻が溺愛する「11歳上の夫」の美点 「妻と死別した夫」と「最初は二股だった妻」との縁

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後日、Zoom画面の向こう側でやたらにうれしそうな典子さんと戸惑いを隠せない啓介さんが仲良く並んでいた。典子さんは天海祐希似のわかりやすい美人だ。啓介さんは年相応の風貌だが、ハリウッド俳優のビル・マーレイのような色気がある。本連載の趣旨を啓介さんに改めて説明した。

「は、はい。わかりました……。いつも妻が勝手にやってしまってビックリするのですが、乗りかかった船ですから協力します」

かわいそうな人や動物を放っておけない夫

現在の新居から徒歩20分ほどの場所に実家がある啓介さん。姉たちと近所の従姉たちを合わせて5人の年上女性たちに「いじられて」育ったらしい。

「女装とかさせられていましたね。でも、高校生ぐらいになると肉体的に姉たちを超えてしまうので、今度は力仕事などでいろいろ頼られるようになりました」

都内の私立大学を卒業後、食品関連会社に就職。百貨店内の店舗に配属され、やはり女性に囲まれる環境に置かれた。その後、つてをたどって物流関連会社に転職。中国のある都市に10年間ほど駐在し、現地のビジネスパートナーと一緒に会社を設立して独立した。前妻の小百合さん(仮名)ともその町で知り合った。当時33歳だった啓介さんより7歳年上の芸術家の女性だ。

「日本人がよく行く飲食店での客同士でした。彼女は芸術関連の教室アシスタントとして生計を立てていたのですが、偉い先生に嫌われて帰国させられそうになっていたのです。置き場のない荷物を預かったりしているうちに、一緒に住まないかと言われて……。オレは断っていたのですが、相手の年齢もあって結婚することになりました」

ここで典子さんが我慢しきれない様子で補足説明を始めた。啓介さんはかわいそうな人や動物を放っておけない性格なのだという。会社帰りに見知らぬおばあさんから「急に暗くなって目がよく見えないので家まで送ってほしい」と頼まれて、本当に送っていったこともあるらしい。

「電車内で座っていると、妊婦の方やお年寄りが啓介さんの目の前に来ることが多いんです」

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