地震、津波、火災の三重苦に、原発の風評被害まで。孤立感高まるいわき市久之浜地区を歩く【震災関連速報】
地震、津波、火災の三重苦に直面したこの地区に、さらに厄災が襲いかかろうとしている。原発の風評被害だ。熊木さんががれきの中から自分の服を掘り出そうとしていることからもわかるように、ここでは物資不足が著しい。やはり、原発の恐怖から物資が十分に運び込まれないからだ。久之浜第一小学校など3カ所が避難施設になっているが、すでに、この地域から離れていった住民も少なくない。
「原発を恐れて、もう戻ってこないのではないか」。
横を通り過ぎた別の男性はこうつぶやいた。熊木さんも「街はもうだめにんなってしまうのか」、とため息をついた。
27日、いわき市の中心部では、震災後に閉店していたイトーヨーカ堂、イオンが久しぶりに店を再開した。市民はこの2つのスーパーマーケットにどっと押し寄せた。しかし、中心部から離れた久之浜、豊間など、被害が甚大な海辺地域はその恩恵も乏しい。車で出かけようにもガソリンは尽きているし、車も津波に持っていかれてしまった家が少なくない。基幹交通手段の常磐線はいまだ不通、バスも休止している。周囲から閉ざされがちな中で、風評被害も重なった孤立感が漂っている。
(浪川 攻 =東洋経済オンライン)
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