｢子ども達のために再婚を焦る｣は大間違い シングルマザーが陥る誤った思考回路

みわ様、熱心に婚活されたそうですが、その動機としても私へくださったメール文のように、「子どもに優しい父親がほしいから」とされたのでしょうか。私が今のあなたに再婚を試みることを反対する理由のふたつ目は、ここにあります。

再婚願望の動機は絶対に、あなた自身が人生のパートナーを得たいときでなければなりません。その絶対条件として、佐和ちゃんたちを大切にしてくれる人とするべきです。いきなり「佐和ちゃんたちのパパを探しています」というのは、あなたの結婚観に少し誠意が欠けますし、相手にもちょっと失礼です。

もっとも、子どもが大好きで佐和ちゃんたちとの相性もよく、いきなり2児の父親になれる幸運に感謝し、逆コースであなたへの愛情も芽生えるという男性も、広い世の中ですからどこかにおられるでしょうが、そんな人とは数をこなせば出会えるというものではありません。

親は育児に命を懸けよう

昨年の、西東京で起きました継父の執拗な虐待と、「頼むから24時間以内に、死んでくれ」と迫られた中学生は、継父が教唆した方法で自死しました。私がこの事件で腹立たしいのは、実母がこの虐待を傍でみていて、息子を守らなかったことです。もっと情けないのは、再婚相手と一緒になって、子どもを虐待する実母のニュースが絶えないことです。母性までからめとられる再婚になることがあるのです。

3つ目の理由は、佐和ちゃんたちの育児に、あなたに命を張ってほしいからです。あなたは佐和ちゃんたちの実父から、佐和ちゃんたちを守りました。母親として、とても勇気がある行為です。

そしてあなたもまだお若いですし、伴侶と共に人生を歩みたい願望も、当然におありかも知れません。ですが「当分は」ということでも結構ですので、今のあなたの愛情を、子どもたちだけに注がれて、3人で助け合って穏やかに、心豊かに暮らす努力をされてはいかがでしょう。佐和ちゃんたちが、これから分担できる家事は増えるでしょうし、彼女たちはあなたが思っているほど、父親を必要としていないと思います。

そのほうが、彼女たちが優しいパパと出会って楽しい家庭で育つ確率よりは、はるかにいい家庭環境がイメージできるのですが、それは私だけでしょうか。これから佐和ちゃんたちにはいろいろな問題が起きるでしょうが、あなた以上に彼女たちのことを真剣に考えることができる人は、いないと心得てください。実父に縁がなかった子どもたちを、その分もあなたが命を張って守り育ててください。

いったん子どもを持った以上はあらゆるリスクから子どもを守り、子どもを最優先に生きる責任が親にはあると確信しています。その先には、親にも喜びがいっぱい用意されていますよ。