それ以外にも私がみわ様に、再婚願望をいったん諦めるよう勧めたい理由が、3つあります。ひとつ目は、私がマイナス思考すぎるかもしれませんが、佐和ちゃんたちの新しい優しいパパの出現にあまり期待が持てないことです。いつの世もこのように頻繁だったでしょうか、継父による子どもの虐待が、最近、特に目立ちます。
もっとも、実父母による虐待や事件はそれ以上ですが、継父母の場合は、実親が避けようと思えば避けられた事件として、被害児童たちがかわいそうでなりません。実父母による虐待も、加害者が実父母だからそ悲惨な事件であることにも変わりはありませんが、ともかく昨今は、幼稚化している大人が多いのは確かです。
中でも継父による虐待は、私へのメールでも、これはドラマの脚本かと錯覚するほどのもので驚くものばかりです。子どもさんが女児の場合は、さらに多くの問題をはらみます。もちろん継父が皆、このようだとは申しておりません。
虐待親をかばう被虐待児たち
私の若い友人の真理ちゃん(仮名)は、小学2年から6年まで、母親の2回の再婚で、2人の継父と暮らしました。最初だけは、ママの前では優しい「新しいパパ」だったそうです。事件に至るような暴力こそなかったけれど、精神的な苦痛は日常的で、その人たちをパパと呼んで一緒に暮らすだけで十分に虐待だったと言い、ママが離婚するたびに、本当に幸せだったと言います。
そんな真理ちゃんでしたが、ママにはパパの告げ口をしませんでした。自分ががまんすればママは幸せになれると、子ども心に知恵が働いたと言います。被虐待児が、学校や児童相談所の職員たちに、自分を虐待する親までかばっていたのを、私たちは多くのニュースで知りましたが。これは、それ以外の生活や世界を知ることができない子どもなりの、実親への精一杯の親孝行か、悲しい処世術なのかもしれません。
友人の哲雄さんは、妻の連れ子の眞子ちゃん(仮名・当時小学4年)が自分に懐かず、困っていました。ある日妻から、「あなたが娘に他人行儀だからだ。本当に父親なら、しかるときはしかって、時には体罰も加えられるはずだ」と、叱咤激励されたのです。それで本当に眞子が、自分に憎らしい言動を取ったときに、彼は思いっきり、義娘のお尻を3発たたきました。
「なさぬ仲」の難しいところです。眞子はその瞬間、実父方の祖母宅へ家出して帰って来ず、妻は、今の体罰には憎しみが籠っていて、しつけや教育的な意味は感じられなかったと怒り叫んだそうです。結婚するまでよりも、「本当の家族」になるまでの道のりのほうが、子連れ再婚の場合は大変なのです。その覚悟が、みわ様にあるでしょうか。
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