「餃子の雪松」が全国制覇しても絶対変えない流儀 現金商売の原点は“商店街の息子たち"にあり

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「よく『中身をこうしたらどうか』や『〇〇味を追加したら』というご提案もいただきます。人によって味の好みが違うのも承知していますが、3代目から引き継いだ伝統の味を預かっているので、勝手に味を変える気にはなれません」

野菜中心の餃子が特徴だ(写真:YES)

日本の食卓に「餃子」が浸透したのは戦後からだが、今では外食でも家庭内の食事でも人気メニューのひとつとなった。主役にも脇役にもなれる存在で、「町中華」ではラーメンやチャーハンに次ぐ主力メンバーだ。

(筆者撮影)
町中華や中華チェーンの「セットメニュー」にも餃子は欠かせない(筆者撮影)

餃子は地域による味の違いが少ない

筆者はラーメンの味の地域性について記事にしたこともあるが(ラーメン好きな人も知らない「味の地域性」の深奥/2021年10月23日配信)、ラーメンに比べると餃子は、地域による味の違いが少ない、と思う。

店舗数が増え続ける「餃子の雪松」だが、今後の出店数をどう考えているのか。

「全国展開も達成し、工場の生産供給量もありますので、今後は急激に店舗拡大することはないでしょう。日々の商売を淡々と続けるだけです」

こう話す同社が、現在注力するのが冷凍ラーメンだ。「日本ラーメン科学研究所」として販売し、醤油と豚骨の2種類。価格はともに3食入りで各1000円(税込み)となっている。

冷凍餃子も冷凍ラーメンも作り方は簡単だが、調理するときは、焼いたり沸騰させたお湯に投入したり、各家庭でひと手間かける。そのライブ感も大切にしているように感じた。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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