ケンタッキーが「バーガー」に名称変えた深刻理由 2018年以来、目標に掲げてきた「利用の日常化」
1970年、東京都町田にドムドムバーガーが誕生し、次にマクドナルド、モスバーガーなどが続々オープンし始まった、日本のバーガーチェーンの歴史。その他主なチェーンとしては、ロッテリア、フレッシュネス、ウェンディーズ・ファーストキッチンなどが挙げられる。バーガーは日本人にとって、軽食、ランチとして、また近年ではディナーとして非常に身近な食品になっている。
そして2022年10月12日、バーガーチェーンに名を連ねることになったのがKFCだ。
「サンド」から「バーガー」へ
というのは、1983年にチキンフィレサンドを発売以来かたくなに守り続けてきた「サンド」の名称を、ついに「バーガー」へと変えたからである。
同時にこれまでチキンフィレ、和風チキンカツの2種だけだった定番のバーガーメニューを5種に拡大して発売した。
バーガー市場獲得に向けたKFCの本気度を伝える、エポックメイキングな出来事だ。
今回は日本ケンタッキー・フライド・チキンに、この大きな変革の背景や狙い、今後の展開について聞いた。
サンドからの名称変更について、「大きな狙いは知名度アップ」と同社上席執行役員マーケティング部長の小室武史氏は説明する。
「KFCの本国アメリカではビーフのパティを挟んだもの以外はサンドと呼ぶ。その流れを汲み、サンドという名称を続けてきたものの、今はデメリットが大きくなっていた。
例えば検索をかけるときは『バーガー』で検索するため、チキンサンドはひっかかってこない。バーガーマーケットに本気で取り組んでいくなら、名称変更は避けられなかった」(小室氏)
1970年にチキンのお店として出発したKFCは、何といっても「オリジナルチキン」(260円)のチェーンであり、クリスマスなどイベント時にみんなでワイワイ食べるイメージが強い。
食事として利用できるチキンフィレサンド、和風チキンカツサンド、ツイスターなどもオリジナリティがあり、ほかのチェーンの商品に劣らないメニューなのだが、「オリジナルチキン」に比べると、やはりサイドメニューというか、「おまけ」のような印象があった。
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