ケンタッキーが「バーガー」に名称変えた深刻理由 2018年以来、目標に掲げてきた「利用の日常化」
まず、アンケートなどで明らかになったことだが、KFCにバーガーがあることを知らなかった層が購入するようになった。
さらに、商品数が増えたため、メニューに占めるバーガーの面積が増え、訴求しやすくなった。
新味の発売ももちろん効果が高い。とくに「辛口チキンフィレバーガー」の売り上げはバランス的に、想定の2倍程度。
また新しいメニューが増えたことにより「やっぱり次は定番が食べたい」との購入動機につながり、全体が底上げされている状況だそうだ。「バーガー+チキン」の組み合わせで購入する人も増え、「オリジナルチキン」の売り上げも伸びている。
数字で見ると、2022年10月の全店売上高は前年比117%。2022年の5〜6月までは90〜100%と前年を下回る月が多くなっていたので、リニューアルが大きく影響していることは間違いないだろう。
変わらない「チキンフィレバーガー」
気になるのが、定番の強化としながらも、チキンフィレバーガーの商品自体は変わっていない点だ。
ちなみにチキンフィレバーガーには、チキンの胸肉に「オリジナルチキン」と同様の11種のハーブ・スパイスで味つけをし、圧力釜で揚げたものを使用している。
「オリジナルチキン」のレシピ自体も本国での創業以来守られていることもあり、チキンフィレバーガーの製法も簡単に変えるわけにはいかないのかもしれない。
今後同社では、定番のバーガーを継続的に販売しつつ、期間限定商品を投入していくことで、より「日常化」戦略を本格化させていくという。「オリジナルチキン」もその戦略の重要な要素だ。例えば「オリジナルチキン」の訴求をより高めていくために「30%OFFパック」などのバリュー商品を定期的に発売する。
また、夏の定番となっているのが「レッドホットチキン」(280円)だが、2022年12月からは冬の限定商品として黒胡椒の利いた「ブラックホットチキン」(280円)を数量限定販売(価格は取材時)。このようにオリジナルチキンによるブランド強化も加え、全力でバーガー市場に乗り出したKFC。1位マック、2位モスのバーガーチェーン勢力図がどう変わるか、興味深いところだ。
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