大富豪バフェットが「自虐ネタ」を連発する理由 ミスを認めない偉そうな上司は害悪でしかない

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もう1つ、「謝ったら死ぬ病気」から解放されるために重要なのは、「偉そうなのは時代遅れ」という感覚を知ることである。

威厳を示すと同時に、親しみやすさを感じさせたいならば、自分自身が序列や地位にこだわりすぎて、無益な緊張を生んでいるのではないかと思いを馳せるとよい。

リーダーこそユーモア発揮すべき

ツイッター社のCEOであったディック・コストロは、ある朝、新入社員からじろじろと見られ、「あれってCEOだぜ!」とヒソヒソ話をされた際、笑ってこう言ったという。

「そうだよ! こんにちは! 僕はホログラムじゃないんだから、ちゃんと聞こえてるよ! 僕の名はディック。はじめまして」

このユーモアあふれる挨拶に、みんなが一緒に笑った。「あの人が、世界的企業のCEOか」と認識するだけで、おのずと萎縮してしまう人は少なくない。

だが、こうして「CEO」「新入社員」という序列や地位の壁を吹き飛ばし、意外な親しみを感じさせることができるのだ。

コストロは、この一件以来、毎日エレベーター内で「僕はセレブだから」などジョークを言って、従業員たちを笑わせていたという。それがリーダーとして成功するために、きわめて重要なことだと考えているからだ。

リーダーの仕事は、ミスが起こるのを防ぐことではなく、ミスが起こったときに迅速に処理することである。コストロは、この点に自身のユーモアを接合させ、「みんなが安心して私に悪いニュースを報告できなかったら──ミスを処理するまでに、うんと時間がかかってしまいます」と語っている。

単に「好感度をアップさせるため」という目的だけではなく、リーダー論、組織論のうえでも、理にかなった行動なのだ。

次ページ健全な自虐は威力になる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事