大富豪バフェットが「自虐ネタ」を連発する理由 ミスを認めない偉そうな上司は害悪でしかない

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2018年のギャラップ調査では、アメリカの職場において、上司が親しみやすい場合は、従業員の意欲は30%も高まることがわかっている。

さらに、上司に対して仕事以外のことを気楽に話せる従業員は、それができない従業員に比べて、仕事に対する意欲が7倍高いことも明らかになっている。

上司が部下に対して、親しみやすい一面を見せるには、自虐的なユーモアを発揮することだ。

自分の失敗を認め、さらにそれをうまくちゃかして受け入れていく姿勢をとること、リーダーも部下も、序列や地位に過剰にこだわりすぎない風土をつくること、そのために健全な自虐は効果を発揮する。

大富豪バフェットも自虐的ユーモアの達人

世界的に著名な投資家ウォーレン・バフェットも、自虐的ユーモアを見せる人物だ。

ニュースや書籍などから伝えられる情報から想像すると、「威厳ある、崇拝すべき世界的大富豪」というように見えてくるかもしれないが、実際のバフェットは、「腰の低い、気のいいおじさん」と感じさせるほどの姿をさまざまな場面で見せている。

年次総会でも、バフェットは、食習慣の話から、後悔しているビジネス上の決断についてまで、とにかく手当たり次第にそれらを自虐ネタに仕上げ、笑いをとってしまう。『フォーブス』誌は、そのユーモアを「ひそかな威力」と称するほどだ。

時代遅れのリーダー像から脱却し、ユーモアの力で自身をコントロールする術を身に付けていこう。「謝ったら死ぬ病気」は、組織を殺す大病の元凶かもしれない。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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