中国人エリートたちが語る「日本移住」選んだ真因 日本が高度人材を増やすのに欠けている視点は

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親子の後ろ姿
欧米などにも住んだ経験を持つ中国人の若いエリートたちがあえて日本へ移住する理由とは(写真:kapinon/PIXTA)

新型コロナウイルスの影響で観光客が消え、日本と海外の往来が激減してから3年経つ。日本はあっという間に「鎖国状態」に戻り、マインドもグローバルから遠ざかるようになった。一方、中国のオンラインサービス帝国のアリババを立ち上げたジャック・マーが日本に滞在していたと報道されたように、海外の人材が日本に旅行以外で来ていることも事実だ。

そこで本稿では、日本への移住を決めた中国人エリートの話を参考に、彼らが日本に魅力を感じる理由と、日本が外国人の高度人材を増やすうえで必要なことは何かを考えてみたい。

子供が国際的視野を持てるようにしたい

実は約3年前から、日本移住を希望する中国出身エリートが少しずつ増えている模様だ。彼・彼女らのほとんどは30代前半。大卒以上の学歴を持ち、中国国内でのキャリアもそれなりに積み、家庭環境も豊かである。中には、欧米などでの生活歴が長いのにもかかわらず、それぞれの理由で日本に居住することを選択した人もいる。

「子供にもう1つの選択肢を与えたくて」

そう教えてくれたのは、2022年に日本に移住してきたAさんだ。30歳になったばかりで、エリートそのものの女性である。中学生からオーストラリアで暮らし、修士号を持っている。来日前は広東省でサービス業関係の仕事をしていたが、難関で著名な香港の高度人材資格も取得している。

語学力が高いだけではなく、異文化への理解力が高く、どこに行っても生きていけるとの自信を持つ。夫婦とも裕福な家庭出身で人柄もよいので、中国であれば自分も家族も幸せを謳歌できる「ザ・勝ち組」の1人と言っていい。

日本に来ることを考え始めたのは、子供にどういう教育を受けさせるのが一番かという議論をしたことから。夫婦ともハイレベルの教育を受けたので、「国際的視野」を持てることを重要視した。

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