「すき家」は牛丼チェーン大手4社の中で、売上高・店舗数ともに第1位です。
店舗数は1942店舗で、2位の「吉野家」の1189店舗、3位の「松屋」986店舗、4位の「なか卯」461店舗を大きく引き離しています(2022年7月時点)。
この日私が訪れたのは、山手線のとある駅から徒歩5分。ロードサイドにある駐車場付きの大型店舗とは違い、40席ほどしかない小さめの店舗です。大企業の本社も入居している、超高層のオフィスビルの向かいにある路面店のため、ランチタイムは店の外まで大行列が伸びるものの、平日朝10時の客数はほどほどで、10席ほどが埋まっていました。
カウンター席とテーブル席をバランスよくレイアウト
中央にカウンターテーブルを配した「吉野家」「松屋」、テーブル席がメインの「なか卯」と比べて、「すき家」はカウンターもテーブルもバランスよくレイアウトした店づくりが多いのが特徴です。
この店もカウンターとテーブルを組み合わせてあり、カウンター席にはサラリーマン、テーブル席では旅行客とおぼしき男女のグループや、仕事終わりの作業着の中年男性が、朝メニューのお盆に乗った定食や、牛丼を食べていました。
カウンター席に座ったサラリーマンは、タッチアンドゴーで、サッと食べてすぐに店を出ていき、テーブル席の人たちは会話をしたり、スマホをさわったりと、食後の余韻を楽しんでいます。
牛丼チェーン黎明期は、男性がカウンターで黙々と食べるというイメージでしたが、テーブル席を増やすことで、ファミリーやグループにも利用しやすくなりました。
牛丼メニュー以外の豊富さもさることながら、テーブル席を増やし、牛丼屋でありながらファミリーレストランに近いポジショニング戦略を取ってターゲット層を広げたことが、「すき家」が現在、牛丼チェーンナンバーワンたるゆえんなのでしょうね。
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