大波乱!インボイスで「まさかの大損」避ける方法 副業もフリーランスも、「超簡単2ステップ」でOK

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④簡易課税制度を使う場合

納税する消費税の計算方法は他にもあります。簡易課税という方法です。

サービス業を前提とすると、受け取った消費税が10万円であれば、納税する消費税は5万円(=10万円-5万円)になります。

この消費税額の計算方法は業種によって決まっていて、サービス業であれば第5種という分類で、受け取った消費税に50%をかけた金額を支払った消費税とみなします。そして、かける部分(今回は50%)を専門用語で「みなし仕入率」と呼びます。

では、最終的な利益を計算してみましょう。

利益:110万円-11万円-5万円=94万円

登録しない場合(②)に比べて5万円のプラスとなりました。

なお、簡易課税を2023年10月以降または2024年から行う場合には、2023年中に「消費税簡易課税制度選択届出書」という書類の提出が必要となりますのでご注意ください。

⑤期間限定の特例の適用を受ける

インボイス制度の開始にともない、期間限定(2023年10月~2026年12月)で「受け取った消費税の20%を納税すればOK」という特例が加わりました

したがって上記の例だと、納税する消費税は2万円(=10万円×20%)になり、それをもとに最終的な利益を計算します。

利益:110万円-11万円-2万円=97万円

登録しない場合(②)に比べて、プラス8万円となりました。

このように、インボイス制度に登録することで、手元に残るお金が増える場合もあるのです。

インボイスを上手に利用したければ、はやめの申請が吉

売上の規模によっては、変化する金額自体が小さいこともあるので、お金の面だけで見た場合に、「面倒なことはしたくない」という理由でインボイス制度を利用しない、という選択肢もあります

しかし、ある程度の売上規模になると、登録をしていないことで想像以上に大きく利益が減ってしまう危険性もあるので、以下の2ステップを意識して、損なく上手にインボイス制度を活用しましょう。

ステップ①:インボイス制度によって売上が変わるか考える
ステップ②:インボイスの有無で利益がどれくらい変わるか計算する

最後にインボイス制度の利用方法をご説明します。インボイス制度を利用するには、前もって税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」という書類を提出する必要があります

2023年10月1日から発行するためには、2023年3月31日までの提出が求められていましたが、緩和措置が出て、2023年9月30日までの提出が可能となりました

しかし、申請書の提出から登録番号の発行まで、現時点で3週間程度かかっているので、余裕を見て、遅くとも8月中には提出するほうが無難でしょう。

福島 宏和 個人事業主・確定申告専門税理士

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ふくしま ひろかず

日本初の個人事業主専門確定申告代行サービスを提供(広島から全国対応)。累計申告数1300件以上。

「税理士は敷居が高い」「自分で帳簿記入できない人は相手にしない」といった先入観をなくすことをモットーに、読者や顧客に寄り添った活動をしている。

現在は確定申告に加え、フリーランスなどに対して利益の計画管理、コーチングによる課題発見・解決を通じて「本業に専念できる環境づくり」に貢献している。

著書に『副業を始めたいんですけど、税金ってどうしたらいいですか?』(東洋経済新報社)『フリーランス・個人事業の絶対トクする! 経費と節税』(ダイヤモンド社)、『これって経費になりますか?』(税務経理協会)がある。

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