コンゴ出身の「30歳難民男性」が日本で得た活路 高学歴・高スキルの難民は企業を救う存在に
さまざまな理由で国を追われ、日本国内に在留する難民。その中には、実は大学・大学院を卒業し、複数の言語を操るなど高度なキャリアとスキルを持っているにもかかわらず、就労機会が得られず、「3K労働」を強いられている実態がある。しかし、近年では新たなビジネスの開発や組織風土改革など、企業経営の変革のために難民人材を活用するケースが、少しずつだが出始めている。
日本の国際競争力が低下しつつある中、難民人材は日本企業の「救世主」となりうるのか。ある日本企業に採用されたコンゴ民主共和国出身の難民のケースから「今こそ、日本企業が難民を採用すべき理由」をひもといてみたい。
日本企業に採用されたコンゴ難民の「ノデさん」
「はじめまして。よろしくお願いします」
たどたどしくも、にこやかに日本語で挨拶してくれたのは、ノデさん(仮名・30歳)。コンゴ民主共和国から日本に亡命して5年目になる「難民」だ。
サッカーが好きで、週末は地域のクラブチームで汗を流すというノデさん。ジャケットとジーンズにスマートウォッチというその姿からは、難民という言葉が想起させる悲壮感はまったく感じられない。もっとも、その悲壮感はこちらが勝手につくり上げたイメージにすぎないのだ、と気づかされる。
ノデさんは2022年4月から、航空・海上輸送の国際物流企業、商船三井ロジスティクスで働いている。勤務地は成田空港近くの国際航空輸送の部署で、航空会社に貨物を引き渡すための書類作成などが主な業務だ。
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