Panasonicが録画用ブルーレイディスクやめる訳 需要減、代替サービス台頭に加えコスト高も重し

✎ 1〜 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 71 ✎ 最新
拡大
縮小
生産終了になるパナソニックの録画用ブルーレイディスク
今回、生産終了となる主な製品(画像:パナソニックホームページ)

パナソニックは1月23日、録画用ブルーレイディスクの生産から撤退することを明らかにした。

対象となる製品は、「録画用ブルーレイディスク BD-RE:くり返し録画タイプ(書換型)」 13モデルと「録画用ブルーレイディスク BD-R:1回録画タイプ(追記型)」23モデル。同日、パナソニックのホームページに掲載された「録画用ブルーレイディスク 生産完了のご案内」にはこのようなコメントがある。

生産終了ではなく“完了”

「当社は2006年の録画用ブルーレイディスク発売以来、多くのお客様にご愛用いただいて参りましたが、2023年2月を以って、録画用ブルーレイディスク全品番の生産を完了させて頂きます。尚、後継商品はございません」。生産終了ではなく生産“完了”とした表現には、もうやり尽くした気持ちが反映したのか。

録画用ブルーレイディスクの市場は飽和し、さまざまな国のメーカーが参入するようになった。家電量販店に向かえば、多様な商品が並び、さらに昔と比べると価格もだいぶ低下している。パナソニックとしても儲からない商品になったわけだ。

1月25日の午前中に東洋経済オンライン編集部の編集者が東京・秋葉原のヨドバシカメラ、ビックカメラの店頭を覗いてみたところ、録画用ブルーレイディスクの売り場は主にソニー製品が席巻。マクセル、三菱電機、バーベイタムなどの製品が並んでいたが、パナソニック製品を見つけられなかったという。すでに撤退の準備が進んでいたか、売り場を確保できていなかったかはわからないが、競合メーカーに伍されてしまった面はあったのだろう。

パナソニックが生産終了するBD-RE
パナソニックは女優の綾瀬はるかさんをイメージキャラクターに起用していた(画像:パナソニックホームページ)

まだ市場が成熟していない時代には、同じように見えても録画用ブルーレイディスクの性能や品質には、メーカーによってばらつきがあるといわれた。あくまで私の経験だが、メーカーによってはブルーレイディスクレコーダー・プレーヤーに入れてもまともに動作しないメディアもあった。またブルーレイディスクレコーダー・プレイヤーと録画用ブルーレイディスクメーカーの相性もあったように思われる。

一方で、海外を含む各社の品質も向上してきた。そこからさまざまな環境変化があったうえで、今回のパナソニックの録画用ブルーレイディスク生産完了決断となった。ここに至るようになった背景を考えると、“四重苦”ともいえる4つの環境要因が見えてくる。

次ページハードのパッケージメディアが売れなくなった
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT