パナソニックは1月23日、録画用ブルーレイディスクの生産から撤退することを明らかにした。
対象となる製品は、「録画用ブルーレイディスク BD-RE:くり返し録画タイプ(書換型)」 13モデルと「録画用ブルーレイディスク BD-R:1回録画タイプ(追記型)」23モデル。同日、パナソニックのホームページに掲載された「録画用ブルーレイディスク 生産完了のご案内」にはこのようなコメントがある。
生産終了ではなく“完了”
「当社は2006年の録画用ブルーレイディスク発売以来、多くのお客様にご愛用いただいて参りましたが、2023年2月を以って、録画用ブルーレイディスク全品番の生産を完了させて頂きます。尚、後継商品はございません」。生産終了ではなく生産“完了”とした表現には、もうやり尽くした気持ちが反映したのか。
録画用ブルーレイディスクの市場は飽和し、さまざまな国のメーカーが参入するようになった。家電量販店に向かえば、多様な商品が並び、さらに昔と比べると価格もだいぶ低下している。パナソニックとしても儲からない商品になったわけだ。
1月25日の午前中に東洋経済オンライン編集部の編集者が東京・秋葉原のヨドバシカメラ、ビックカメラの店頭を覗いてみたところ、録画用ブルーレイディスクの売り場は主にソニー製品が席巻。マクセル、三菱電機、バーベイタムなどの製品が並んでいたが、パナソニック製品を見つけられなかったという。すでに撤退の準備が進んでいたか、売り場を確保できていなかったかはわからないが、競合メーカーに伍されてしまった面はあったのだろう。
まだ市場が成熟していない時代には、同じように見えても録画用ブルーレイディスクの性能や品質には、メーカーによってばらつきがあるといわれた。あくまで私の経験だが、メーカーによってはブルーレイディスクレコーダー・プレーヤーに入れてもまともに動作しないメディアもあった。またブルーレイディスクレコーダー・プレイヤーと録画用ブルーレイディスクメーカーの相性もあったように思われる。
一方で、海外を含む各社の品質も向上してきた。そこからさまざまな環境変化があったうえで、今回のパナソニックの録画用ブルーレイディスク生産完了決断となった。ここに至るようになった背景を考えると、“四重苦”ともいえる4つの環境要因が見えてくる。
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