沖縄「やんばるの芸術祭」に見る伝統工芸の課題 今年で開催6回目、どう課題を解決していくか

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本フェスには、観光客誘致による経済振興はもちろんだが、それ以上に伝統文化の未来への継承が、役割として課せられているのだ。

農村部の人口減少と高齢化はこれからますます進む。それは日本のほかの地域でも同様だ。石垣さんが語っていたように、西表島や、やんばる地域においては、地域の生活に根ざした工芸や芸術などの伝統文化の担い手がいままさに途絶えようとしている。

そうしたなか、これまで交わることのなかったアーティストや観光客が集う本フェスから、新たなつながりや文化継承への活路が生まれることへ、高齢となった芸術家や工芸家たちは大きな期待を寄せている。

次世代の文化継承の道筋を作る

海外の芸術祭にも参加するエリイさんは、6回目を迎えた本フェスを「尻すぼみにならないで、来年にも思いを馳せられる芸術祭になっています。芸術も工芸もある総合芸術祭として土地とあいまって魅力がある。地元の人や作家たちと会話を重ねて一緒にやっていくことや体力(財力)があることが芸術祭は大切です」と評価し、より著名なアーティストを呼ぶことで発信力を上げることも課題だと語る。

やんばる地域の自治体はこの先の開催継続とさらなる拡大に積極的だ。芸術祭は続けていくことにこそ意義がある。ここからより大きなイベントに育っていくとともに、次世代への文化継承の道筋を作っていくことが期待される。

武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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