不登校の子が心配でたまらない親に伝えたい心得 不登校から脱出するために欠かせない接し方

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アドラー心理学によると、子どもの問題に親があれこれ言うことはNGです。

なぜなら、親が土足で子どもの問題に踏み込むような行為となるので、やがて子どもは親を拒絶するようになるからです。

ですから私たち親は、親子の間に境界線を引き、目の前で起こっている問題を、子どもの問題と親の問題に分け、子どもの問題には介入しない姿勢が大切なのです。

たとえば、先ほどの「子どもが勉強しない」という例でいうならば、私たち親がとるべき姿勢は、「勉強するしないは子どもの問題。親は子どもにあれこれ言わない。それに対してどう思うかは親の問題なので、親のイライラを子どもにぶつけない」ということになるのです。

もし、親子関係がぎくしゃくしているのなら、親子の境界線が引けているのかを見直したほうがいいでしょう。

◉STEP3 良好な親子関係を築く

私の主宰している不登校脱出講座やセミナーで必ず聞かれる質問は、

「どのような声かけをすると子どもは良くなるのか?」という質問です。

私もかつて同じことを思い、不登校に良いと言われる声かけを実践しました。

しかし、娘は元気になりませんでした。

なぜなら、「学校に行ってほしい」という私の本音が娘にバレバレだったからです。

ほめる、励ます、勇気づける。私が娘にする声かけは、学校に行ってほしいためにやっていたからです。そんな表面的な声かけで娘は元気になるはずがありません。

日常生活で親自身の心を癒やすことが大切

声かけはあくまでもテクニックです。親子の信頼関係があってこそ声かけは子どもの心に届くのです。

しかし、そうは言っても子どもが不登校になると親は不安でいっぱいになります。

ですから、日常生活で親自身の心を癒やすことが大切なポイントなのです。

親自身の心が落ち着いた頃に、子どもとの日常会話の量を増やし、親子関係を良好にしていくのがいいでしょう。

不登校から回復するためには、子どもは親の助けが必要です。本音が言える親子関係になると、親は子どもに必要な支援ができるようになります。

なんとか子どもを学校にいかせようと焦るのではなく、地道な作業のように感じられるかもしれませんが、親子の信頼関係を築くことが大切です。

◉STEP4 自己受容させる

不登校の子どもは、「自分がダメだ」がいっぱいつまったパンドラの箱を持っています。

ですから子どもたちは、「どうせ……」「面倒くさい……」と言って何にも取り組もうとしません。

なぜなら、何かに取り組んで、できないダメな自分を見るのが怖いからです。

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