不登校の子が心配でたまらない親に伝えたい心得 不登校から脱出するために欠かせない接し方
◉STEP1 心の回復のプロセスを知る
心の回復には順番があります。
まずは、不登校から脱出するために、心がどのように回復していくのかというプロセスを理解する必要があります。
その疑問を理解するのに役立つのが心理学者マズロー氏の「欲求階層説」です。
人が行動を起こす元となっているものは「欲求」です。マズロー氏によると人の欲求は5つの階層に分かれ、下の欲求が満たされると自然に上の欲求が湧いてくると提唱しています。
たとえば、学校に行きたがらない子どもを無理やり学校に行かそうとしても、学校には行きません。
なぜなら、「学校に行く」という行動は、「学校に行きたい」という欲求があってこそ成り立つものだからです。
不登校の子は何らかの理由で心が枯渇
では、学校に行くという欲求を子どもに持ってもらうためにはどうすればよいのでしょうか?
不登校の子どもたちは何らかの理由で心が枯渇した状態にあります。これをマズロー氏の欲求階層説に置き換えると、「安全欲求が満たされていない状態」になります。
ですから、お子さんが不登校になったら、親がまず取り組むことは、家を安心安全の場所にし、心身ともに休める居場所(安全地帯)を作ってあげることです。
安全欲求が満たされると、次の段階の社会的欲求、つまり「友達と遊びたい」「学校に行ってみよう」という欲求が自然と生まれてきます。
実際に、ウチの娘が不登校中、1年ほど安心して家で過ごしていると、「ヒマだ〜」と言い始めました。子どもがヒマだと言ったら、動き出したサインなのです。
「勉強が遅れるとますます学校から遠のく」と思われると思いますが、無理やり学校に行かせても一時的には学校に行くかもしれませんが、継続して学校には行けません。
学校に行きたいという欲求が生まれてこそ、子どもは継続して学校に行けるようになるのです。
◉STEP2 親子の問題の原因を知る
ここで質問です。
もし、自分のお子さんが勉強をしなかったらどうしますか?
たとえばその子どもに、勉強をするよう何度も言い聞かせるでしょうか?
塾に行かせる、ゲーム・スマホを取り上げる、「勉強すれば〇〇を買ってあげる」でしょうか?
アドラー心理学の課題の分離という視点から見ると、どの親も当たり前にやっているこのような行為は、「子どもの問題に親が介入している」ことになり、親子関係がうまくいかない原因になると言われています。
しかし、そう言われても
「子どもに勉強をさせるのは親の役目だ!」
「勉強できないと子どもは将来困るじゃないか!」
「親は子どもをきちんと育てる義務がある!」
と思われるのではないでしょうか?
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