流通量の1%未満「国産紅茶」が今、超進化していた イギリス「食のオスカー」で3つ星金賞の生産者も

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紅茶
熊本県のあまたま農園が手がける国産紅茶と柑橘の「至高のアールグレイ」。紅茶生産の現状や、味づくりの工夫について伺いました(筆者撮影)
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国産紅茶の生産量は少なく、国内で流通している紅茶の1%にも満たない程度。しかし、イギリスの歴史ある賞で最高位の「3つ星金賞」を受賞する生産者が出てくるなど、国産紅茶は確実に進化しているようです。在鹿児島ライターの横田ちえさんが、日本の紅茶生産の実情と、とある農園の取り組みをレポートします。

先日、知人から勧められて飲んだアールグレイがおいしかった。さっぱりと甘い紅茶の味わいと柑橘の爽やかな香りのバランスが絶妙で、飲んだ後にすがすがしい余韻がある。

熊本県のあまたま農園が手がける「至高のアールグレイ」という商品で、自家農園の紅茶に、国産甘夏オイルを足したものだという。それを知って驚いた。私がいままで飲んできたアールグレイは、外国産がほとんどだからだ。

日本における、国産紅茶の現状とは

そもそも国産紅茶の生産量自体が少なく、国内で流通している紅茶の1%にも満たない。

しかし、イギリスの「グレイトテイストアワード」(「食のオスカー」とも呼ばれている)で最高位の3つ星金賞を受賞する生産者が出てくるなど、国産紅茶は確実に進化している。

また、大手飲料メーカーでも、国産茶葉に注目する企業は増えている。先日、筆者は本サイト(東洋経済オンライン)に「無糖なのに甘い『かごしま知覧紅茶』ヒットの要因」と題した記事を寄稿したが、この記事でも触れているように、ペットボトルの世界ではアサヒ飲料から「和紅茶」が、ポッカサッポロから「かごしま知覧紅茶」が発売されるなど、関心と需要も少しずつ高まっている。

国産紅茶の品質が高まってきつつあるので、これからは土地それぞれの花やハーブ、果物と組み合わせた、その土地ならではの国産フレーバードティーが増えていく段階に来ているように感じた。

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