流通量の1%未満「国産紅茶」が今、超進化していた イギリス「食のオスカー」で3つ星金賞の生産者も

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そんな状況で、紅茶の栽培から製造、販売まで一貫して手がけ、アールグレイのほかにもバラやレモン、ニッキ、山椒、桃、イチゴなどさまざまな素材をブレンドした紅茶を展開しているのが、冒頭で触れたあまたま農園だ。

あまたま農園の代表・天野礼さん(著者撮影)

紅茶好きとしては大いに気になる。現在の紅茶生産のことや味づくりの工夫、フレーバードティーの追求など話を伺った。

柑橘系オイルも、国産にこだわった

至高のアールグレイ(著者撮影)

熊本県は柑橘の栽培が盛んな土地である。全国生産量1位の不知火をはじめとして、晩白柚、甘夏、パール柑、温州みかんなどさまざまな品種が作られている。「至高のアールグレイ」には熊本産(※鹿児島産になることも)の甘夏オイルを使っている。甘夏は熊本と鹿児島が全国生産の半分以上を占めている柑橘で、酸味が強いのが特徴だ。

「いろんな柑橘オイルを試してみましたが、甘夏オイルがいちばんうちの紅茶と相性がよかったので選びました。本来は、ベルガモットという品種の柑橘を使っているのがアールグレイなんですけど、日本ではベルガモットの生産が極めて少ない。だからうちのアールグレイは甘夏オイルでいくことにしました」

一般的に流通しているアールグレイのほとんどが外国産のベルガモットオイルか人工香料で着香してあり香りが強い傾向にある。それを好む人も苦手とする人もいるが、アールグレイの強めの香りが苦手だった人にとっては、あまたま農園のものは飲みやすく、今までとはひと味違ったアールグレイだ。こういった新しい味が生まれてくることに、国産紅茶の面白さと可能性を感じる。

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