流通量の1%未満「国産紅茶」が今、超進化していた イギリス「食のオスカー」で3つ星金賞の生産者も

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「例えば萎凋(茶葉を乾燥させる工程)は自然乾燥させるのと、ファンで風を送って乾燥させるので味がどう変化するのか。揉捻(茶葉を揉む工程)は短い時間と長い時間やるのでは、どちらがおいしくなるのか、そういうのを全部試して取り組んでいます」

奥の茶畑は右側と左側で刈り方を変えて生育具合を確かめている。色が違うのは刈り方が違うため(著者撮影)

フリーズドライや蒸留で紅茶の味わいが広がる

こうしてできた紅茶を、そのまま販売するのはもちろん、ほかの素材を組み合わせてフレーバードティーにしている。最初に紹介したアールグレイ以外にも、イチゴ、モモ、ショウガ、バラ、山椒、レモングラスなど、さまざまな素材と組み合わせることで紅茶の味わいが広がる。

「個人でフリーズドライの機械も持っているので、知り合った農家さんの作物や道の駅で見つけた食材など、気になるものを見つけたらなんでも試しています。個人でやっているからこそフットワーク軽くチャレンジできるのが強みです」

ユニークなのは、紅茶生産に加えて蒸留にも取り組むことだ。茶葉やハーブ類などを蒸留して「ルームスプレー」として販売している。これにはきっかけがあった。マツモトキヨシのシャンプーの原料として茶葉を卸したことに始まる。

「茶葉を蒸留して『茶葉水』にしてシャンプーに入れているようです。当時はお茶を蒸留するって発想がまったくなかったのですが、その話を聞いて面白いな、自分でもやってみたいと思いました。取引先にも契約上問題ないか確認したところ、自分でやってもOKだったので、すぐに蒸留器を取り寄せてやってみることにしました」

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