流通量の1%未満「国産紅茶」が今、超進化していた イギリス「食のオスカー」で3つ星金賞の生産者も
紅茶好きの間で評価が高く、DEAN&DELUCA福岡店や東京のカフェからの引き合いもある。東京で日本茶ミルクティー専門店の「And Tei」を運営する倉橋佳彦さんは「柑橘系のフルーティーな香りはとても心地よく、皆が飲みやすい紅茶だと思いました。うちは日本茶ミルクティー専門店なのでプラントミルクとの相性のいいお茶を選んでいて、至高のアールグレイはオーツや大豆、えんどう豆の香りと重なりあったときにより香りの相乗効果を楽しめます」と話す。
天野さんは、東京で勤務した後に家業の茶園を約10年間手伝い、その後お茶販売業を経て2021年にこの茶園と製造工場を引き継いだ。茶園は40年以上農薬や化学肥料を使わずに栽培を続けてきて有機JAS認定を受けている。
正式に引き継ぐ前から農園に通い、紅茶づくりの道を模索してきた。茶園には7品種の茶樹があり、風味や個性を見極めてブレンドや製造方法を決めていく。
「新芽をそのまま食べてみると、品種ごとにいろんな味がして面白いですよ。サラダみたいに食べられるのもあります」
国産紅茶は作り手の方針が色濃く反映される
同じ品種でも、エリアによって微妙に味が変わってくることもあるのだという。だからこそ、エリア、品種、摘み取りのタイミング、製造工程すべてを検証しながら味づくりに取り組んでいる。
国産紅茶は「渋みが少なくてさっぱりしている」「ほうじ茶感覚で飲める優しい味」などと言われることも多い。しかし、品種や栽培環境、製造工程によって味はさまざまである。緑茶ほど地域ごとの製法が確立されていないため、国産紅茶は作り手の個性や方針がより色濃く反映される傾向にある。
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