過去最高!高級日本酒がじわじわ売れ始めたワケ 国内消費低迷、輸出絶好調の現状を読み解く

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日本酒の国内消費が冷え込む中、輸出数量・輸出金額は過去最高を記録しています(写真:kouta/PIXTA)
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日本酒の国内消費が冷え込む中、にわかに輸出が盛り上がっています。2021年の日本酒輸出数量・輸出金額は過去最高を記録。とくに高級酒の消費の伸びが目覚ましい状況です。

それを受け、日本国内でも「日本酒は、いいものを少し」といった消費傾向になりつつあります。その状況と背景についてレポートします。

消費低迷する日本酒市場、でも、高級酒は堅調

(グラフは国税庁「酒のしおり」より)

アルコール離れは世界的な傾向ですが、日本も同様です。国税庁によると、日本人が最もアルコールを飲んだのは平成6年(1994年)から平成13年(2001年)で、以降は右肩下がり。中でもとくに減少が目立つのが日本酒です。

理由は、日本酒のほかに飲むべきアルコール類、たとえばワインや洋酒、最近では手軽な缶入りチューハイやサワー類が増え、日本酒消費エリアが浸食されたこと。高齢化でいわゆる日本酒ヘビーユーザーが減少していること。また、若者のアルコールとくに日本酒離れ、さらには世界的なヘルシー志向などが影響しています。

日本人が最も「日本酒」を飲んだのは昭和40年代(1965~1975年)の高度経済成長期です。以降は見事に右肩下がりで、消費ピークの昭和48年(1973年)から令和元年(2019年)の半世紀ほどで3分の1以下となりました。

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