過去最高!高級日本酒がじわじわ売れ始めたワケ 国内消費低迷、輸出絶好調の現状を読み解く

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理由は先に挙げたもののほかに、日本酒風の味付けをした日本酒もどき(合成清酒)や大量生産で質の悪い普通酒が増え、日本酒はまずい、悪酔いするというイメージがついてしまったことも大きいでしょう。

もちろん、吟醸造りなど技術進歩もありましたが、フルーティーで軽快で癖がなく、冷たくしておいしい日本酒が増えたことで、口あたりがよく飲みすぎ、悪酔いすることも増えイメージの悪循環がおきてしまいました。

また、吟醸技術の進歩を業界内の新酒鑑評会等が高評価で後押ししたことで日本酒の味が画一化してしまい、「どれを飲んでも同じ味」「過剰な吟醸香が鼻につき飲みにくい」というイメージもつきました。

さらに、ラベルは専門用語ばかりで、どれが自分の好みの味なのか判断が付かず、「うまく選べない難しい酒」となってしまったことも消費者離れの要因と考えます。

一方、緩やかながら右肩上がりを示すカテゴリーもあります。「純米酒」や「純米吟醸酒」です。

安く酔える普通酒ではなく、醸造アルコールを使用しない純米酒、また、手間暇かかった純米吟醸に消費者の好みがうつり、これらが含まれる「特定名称酒」、いわば「高級酒」といえるカテゴリーの製造割合が伸びています。

日本酒1本あたりの単価は、平成30年間に、1リットルあたり551円から721円に上昇。平成30年間のデフレを加味すれば、実質、もっと価格差があることになります。つまり、日本人は「よい日本酒をちょっとだけ飲むようになった」ともいえるのです。

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