7日で地球1周も思惑外れ「内弁慶」岸田外交の裏側 内閣支持率は最低水準のまま、問われる「説得力」
岸田文雄首相が敢行した年明け首脳外交が1月15日に終わった。5月のG7広島サミット(主要国首脳会議)成功に向け、G7メンバーのアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ5カ国の協力は取り付けたが、「外交で政権浮揚」(側近)という思惑は外れた。
今回の「G7議長外交」を踏まえた大手紙の世論調査でも、内閣支持率は最低水準のまま。岸田首相が昨年末に決断した「防衛力増強」や「異次元の少子化対策」への期待や評価はあるものの、そのための「増税」への反発などが、岸田外交の成果を帳消しにしたのが実態だ。
その一方で、自民党内で目立ち始めた「岸田降ろし」の動きに、国民の目は「ほかによい人がいない」とおしなべて否定的。ただし、政局の焦点の衆院解散については、岸田首相の自民党総裁任期の2024年秋までの断行を求める声が約6割に達している。
政権の最初の難関となる通常国会は、週明け23日に召集される。野党側は昨年の臨時国会に続いて、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題追及と増税反対でスクラムを組む。このため、岸田首相の「聞く力」と「説得力」が、政権危機打開のカギとなりそうだ。
スケジュールがあやふやの超強行日程
その昔『八十日間世界一周』という映画が大ヒットしたが、今回の岸田首相のG7議長外交は何と「7日間世界一周」という超強行日程。首脳会談などの事前設定もあやふやで、「現地に着いてみなければわからない状況だった」(同行記者)ために、外交団のメンバーは「振り回されっぱなし」(外務省幹部)となった。
松が明けたばかりの8日深夜、羽田空港に姿を現した岸田首相は、G7議長として欧米歴訪に臨む決意と抱負を記者団に語った後、乗り込んだ政府専用機が飛び立ったのは9日午前0時過ぎという異例の旅立ちだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら