7日で地球1周も思惑外れ「内弁慶」岸田外交の裏側 内閣支持率は最低水準のまま、問われる「説得力」

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最初の訪問地フランス到着は現地時間の9日午前。その時点でようやく最大の目的のマクロン大統領との首脳会談の時間が公表されるという「やっつけ仕事」に、同行団は皆、右往左往を余儀なくされた。

しかも、両首脳がいきなり共同会見に臨み、その後で夕食会と会談を行うという「首脳外交の常識とはかけ離れた取り運び」(同行記者団)に。会談前に成果を話す両首脳の表情も「どことなくバツの悪さがにじんだ」(同)のも当然だった。

ドタバタを極めたのは、次のイタリア訪問。現地時間正午前に到着した岸田首相は、空港からホテルに直行してメローニ首相との首脳会談に臨み、記者会見を済ませるとすぐ空港に向かい、特別機が飛び立ったのは午後5時4分。イタリア滞在はわずか5時間半足らずという「まさにトランジット(途中寄航)」の訪問となった。

スナク英首相は「粋な計らい」で接遇

これに対し、3番目のイギリス訪問はやや趣を異にした。通常は首相官邸で行うはずの日英首脳会談が、世界的に知られる観光名所で世界遺産のロンドン塔で行われたからだ。スナク首相の「粋な計らい」(官邸筋)によるもので、会談後、スナク首相の案内でロンドン塔ツアーを楽しんだ岸田首相は、満面の笑顔で日英首脳の親近感をアピールしていた。

4番目の訪問国はカナダで、この時点で地球半周に。ただ、その前に岸田首相はイギリスから陸路でウクライナ入りし、キーウでのゼレンスキー大統領との首脳会談に意欲を示したが、「危険すぎる」との外交当局の説得で、渋々断念したとされる。

カナダのトルドー首相との日加首脳会談は首都オタワ。この季節はマイナス15度ともなる極寒の地だけに、雪の降る中での両首脳共同会見には、岸田首相だけでなく同行団全員が寒さに震えた。ただ、「まったく懸案がない友好関係」で知られる両国だけに、首脳交流は「温かさに満ちていたのが救い」(外務省幹部)だった。

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