7日で地球1周も思惑外れ「内弁慶」岸田外交の裏側 内閣支持率は最低水準のまま、問われる「説得力」

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そして最終目的地はアメリカ。岸田首相にとって、就任以来の念願だったホワイトハウスでのバイデン大統領との日米首脳会談。大統領に親しげに肩を抱かれて会談場所に向かった岸田首相は「これぞ岸田外交の真価」(官邸筋)と満面の笑みで、恒例のフォトセッションに臨んだ。

しかし、ここでハプニングが起こった。

両首脳の挨拶が終わると同時に、取り囲んだアメリカメディアが一斉にバイデン大統領を質問攻めにした。怒号のような声での追及は、大統領の事務所から機密文書が見つかった問題だった。

岸田外交の内弁慶が際立つ結果に

これに対しバイデン大統領は質問を一切無視して岸田首相との会話を続けてフォトセッションを終わらせたが、首脳会談終了を受けての共同記者会見は開かれなかった。「会見すれば機密文書の問題ばかり聞かれるとの理由で、アメリカ側が会見を取りやめた」(官邸筋)と伝えられた。

ただ、「大統領は首脳会談終了後も十分に時間の余裕かあったのに、さっさと別荘に向かった」(外務省幹部)ことから、「初めから共同会見は設定されていなかったのでは」(同行記者団)との疑念も拭えず、結果的に「後味の悪い首脳会談」(同)となった。

もちろん、一連の首脳外交の成果は、同行記者団が十分すぎるほど発信し、国内的には連日新聞では1面トップ、テレビなどでは重要ニュースとして報道された。

その一方で、国際社会の反応は冷淡で、現地のメディア報道は「ほとんど短信扱い」(同行記者団)で、「岸田外交の内弁慶ぶり」(立憲民主幹部)が際立つ結果に終わった格好だ。

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