いい形?「岸田首相」政権危機なのに自信満々な訳 いまだ難題だらけ、政権復帰10年の12月26日に注目
混迷が際立った臨時国会が10日、会期を延長せずに閉幕した。最重要課題だった2022年度第2次補正予算と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題を受けた被害者救済法が、“与野党合作”で国会最終盤に相次いで成立。政権危機に苦闘した岸田文雄首相は「内閣支持率下落も底を打つ」(側近)として勇躍、反転攻勢を狙う構えだ。
官邸周辺によると「岸田首相は政権維持に自信満々」(側近)で、通常国会前の米欧歴訪など、売り物の首脳外交で存在をアピールする考えとされる。しかし、大ダメージとなった政治的醜聞による主要閣僚の「辞任ドミノ」にはなお終止符が打てず、態勢立て直しの秘策とする人事断行も、「両刃の剣」となるリスクが大きい。
さらに、新型コロナ感染第8波の襲来や急激な円安による諸物価高騰に加え、ウクライナ危機も絡む防衛費増額の財源確保など、直面する難問は目白押し。このため、2023年1月下旬召集予定の次期通常国会までに、政権危機脱出の糸口がつかめるかどうか不透明だ。
茂木幹事長「後半2ポイント取り、いい形で国会閉じる」
経過だけをみれば、10月3日に召集された第210回臨時国会は、政権危機が続く中、当初想定された会期延長もなく、ほとんどの政府提出法案処理が実現。岸田首相をはじめ政権幹部が安堵したことは間違いない。
国会運営の司令塔だった茂木敏充自民党幹事長は、会期末を控えた8日、国民を熱狂させたサッカー・ワールドカップでの日本代表の健闘を引き合いに「(国会)前半は相当厳しい流れだったが、後半は『補正予算案』『救済法案』の2ポイントを取った。逆転とまでは言えないが、いい形で国会を閉じることができる」と胸を張った。
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