百貨店「つぶれる街」「生き残る街」の決定的な差 地方百貨店の運命を左右する公共交通網
クルマ社会化が進んだ地域ほど、中心市街地の衰退が進んだといっていいだろう。これに対して、東京や大阪をみると自動車の利用度合いは逆に減っている。大都市の公共交通だけがその利便性を増しているため、いわゆる「クルマ離れ」と言われる傾向が起こっているのだ。首都圏京阪神とそれ以外で、中心市街地を取り巻く環境はまったく異なっている。
クルマ社会化によって、住民の主要移動手段がクルマとなり、中心市街地へ来訪する理由がなくなってしまった街では、百貨店が閉店となったり、残っていてもその存在感が失われていった。
こうした中でも、百貨店に一定程度の存在感がある地方都市には共通点がある。それは、路面電車が現役で走っていることだ。高度成長期に各地の中核的都市では路面電車が市内交通の一翼を担っていたものだが、クルマの普及とともに、自動車の邪魔者として、地下鉄に移行したり、路線バスに代替されていった。
ただ、路面電車は市内公共交通としての役割は大きく、路面電車がある街の中心市街地は地域における求心力を残しているようだ。
地方百貨店を支えるのは路面電車
次の表は、「地方」のエリアを対象に、路面電車を残している都市と売り上げが150億円以上の百貨店がわかるように示したものだ。
地下鉄を持っている大都市部(札幌、福岡、仙台)は別として、存在感を持った百貨店が残った都市は、ほとんどが路面電車を残していることがわかるだろう。
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