「自宅ミニマル化」で人生の目標がクリアに見える 身の回りのものはあなたから時間を奪っている

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私が見たところ、ほとんどの人は自宅に対して同じような目標を持っている。それは、整理整頓にかかる時間を減らし、維持管理にかかる費用を減らすことだ。ストレスを感じることが少なく、集中できる空間を求めている。心の平穏と広々とした空間、居心地のよさ、満足感も重要だ。

しかしこういった共通の目標の他にも、それぞれの個人的な目標もある。たとえば、私の知り合いのアーティストたちがものを減らそうと決意したのは、家が変われば創造性も拡大することを知っていたからだ。あるいはエコ意識の高い人たちは、環境破壊をできるだけ少なくするためにミニマリズムを目指したという。

家の目標について考えたら、次は人生全体の目標について考えてみよう。
きっと今のあなたには、ミニマリズムの利点がはっきりと見えてきているだろう。ミニマリズムはあなたに、自由という贈り物を届けてくれる。そしてその自由があるおかげで、もっと意義深い人生を送ることができるようになる。

死ぬまでにやりたいことリスト

ものを必要最小限まで減らしていくと、必然的に人生について考えることになる。あなたにとって、「人生の価値」「人生の意義」「人生の使命」はなんだろう?

最初のうちは、何を手放すかを決めるのも簡単だろう。しかしそのうちに、人生の目標がわからなければ、本当に持つべきものもわからないということに気づく。つまりミニマリズムは、私たちが世界や自分自身を見るレンズの役割を果たしているということだ。

私たちはミニマリズムというレンズを通して、現代社会がいかに消費化されているかを理解する。そして自分自身もその影響を受け、お金を稼いだり、大量にものを買ったりすることに夢中になり、本当に大切な価値をないがしろにしていたことに気づかされる。私たちは、過剰な消費文化のせいで見えなくなっていたものに思いをはせる。そして昔の夢を思い出し、また新たな夢も心の中にわきあがってくる。

家のミニマル化が完成したからといって、人生の目標をはっきりさせるプロセスはそれで終わりではない。人生の移り変わりとともに、目標も姿を変える。興味や情熱の対象も変化する。新しい資格やスキルを身につけることもあるだろう。

人生から去っていく人もいれば、新しくやって来る人もいる。それに、私たち自身の成長による変化もある。そんなとき、ものを減らして身軽になっていれば、変化する状況に素早く対応し、新しいチャンスを最大限に生かすことができるだろう。

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