気の弱い人が自分の要求を上司に通す話の進め方 休暇申請ほか、デートの誘いなどにも応用可能
たとえば、会社勤めの方が、休暇を取りたい旨を上司に相談(交渉)するかどうかを悩んでいるとしましょう。このとき、「休みを取っていいですか?」と切り出してはいけません。
「来月の○日から○日まで休暇を取る予定なので、みなさんにご迷惑をおかけしないようその間の業務の代行を□□さんにお願いしようと思っているのですが、それで問題ないでしょうか?」と「アサンプティブ・クローズ法」を使ってみてください。
上司に対して、自分が休暇を取ることを前提に質問するのです。すると、人の心理は不思議なもので「休ませない」という選択肢が思い浮かびにくくなります。つまり、交渉を持ちかける側が自分に都合のよい仮定をつくり、それを当然の前提として相手に提案すると、その要求は受け入れられる確率が上がるのです。
「アサンプティブ・クローズ法」は非常に強力なのに、自然な会話に挟み込める使い勝手の良い交渉テクニックです。では、さまざまな場面で実践できるよう具体的な使い方を解説します。
質問を作る時は「都合」と「希望」を聞く
このテクニックを使う上での最重要ポイントは、相手があなたの要求を受け入れた状態(仮定)を出発点とした質問を作り、投げかけること。
たとえば、
・後輩や部下が仕事の依頼を受け入れることを前提として、
「この案件、いつまでにできる?」
・お客さんがその商品(車)を買うことを前提にして、
「乗るとしたら、何色がいいですか?」「このクルマで、どこに遊びに行きますか?」
人は質問されると、その答えを先に考えてしまい、本来考慮すべきこと(そもそもの前提を受け入れるかどうか)をあと回しにしてしまいます。
「質問」を作るときのポイントは、相手の「都合」や「希望」を聞く形にすること。相手にとっては自分で決められる「都合」、自分で思い描ける「希望」なので、答えやすいからです。そして、回答しやすい問いは考えやすい。結果、あなたの要求が達成された未来という状況設定に疑問を持たず、交渉を進めてしまうのです。
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