気の弱い人が自分の要求を上司に通す話の進め方 休暇申請ほか、デートの誘いなどにも応用可能
最後に、相手が「アサンプティブ・クローズ法」を使ってきた際の身を守る方法をお伝えします。
別の選択肢を除外した質問から交渉が始まると、回避しづらいのはここまで解説してきた通りです。特に、目上の方から投げかけられた場合、回答を避けがたい状況になるかと思います。
交渉された場合の回避法
そんなときに身を守るためのポイントは、「即答しないこと」です。回答を先送りにしていいかのお伺いを立てましょう。そこに「正当な理由」を付加すると、相手の「アサンプティブ・クローズ法」の出鼻を挫くことができます。
たとえば、商談などで即断即決を求められた場合、
「現状を確認したうえで、改めて連絡する形で大丈夫ですか?(お伺い) 現在、同時並行で進めている急ぎの案件があるためです(理由)」
それでも「今、返事がほしいんだけど」と相手が回答の先送りに承諾しない雰囲気を出してきたら、やや強引ではありますが、以下のようにこちら側で回答の先送りを決定してしまいましょう。
「私の独断では決められないので、このミーティングのあと、上司のスケジュールを確認してなる早でお伝えします」
また、もし可能であれば、相手の質問に質問で返して、相手からの要求内容の情報をできるだけ引き出すようにします。承諾(合意)の前に検討のため、交渉材料となる情報を集めるのです。
たとえば、上司から「このあと、ちょっと時間取れる?」と聞かれた際、
「その前に確認させていただきたいのですが……」
「時間がどれくらいかかるかによりますので、先に用件のほうを教えていただいてもよろしいでしょうか?」
このような質問から得た相手の情報をもとに、交渉に持ち込むことができます。対面では慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、メールやチャットであれば、回答までの準備時間を確保できるため、相手が設定してきた仮定(前提)を疑うこともできるでしょう。
自分の都合のいい仮定をつくって話を進めるというのは、気の弱い人にとっては勇気のいることでしょう。躊躇する気持ちも非常によくわかります。ただ、それでも、あなたの人生を自由にするために「アサンプティブ・クローズ法」を活用するべきです。勇気を持って、自分の都合のよい仮定をつくりましょう。
大事なのは、自分の都合のいい前提(仮定)をもとにして相手と話すことへの勇気を持つこと。「自分が自分を大切にしないで、誰が自分を守ってくれる?」と自問自答することで、「アサンプティブ・クローズ法」を使うための勇気が湧いてくるはずです。自分自身を守るためにも、ぜひ使ってみてください。
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