フランス人旅行者「コロナ後の日本」に感じた魅力 「ずっと日本に来たかった!」外国人たちの本音

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24歳のラファエルは、ワーキングホリデービザで来日しました。このビザは30歳以下の若者であれば、働くことと観光を同時にできる人気の高いビザで、彼は秋葉原のフレンチレストランで、17時から22時まで働くことになりました。

シェフを含むチーム全員が日本人なので日本語も上達したといいます。オープンキッチンで、まるで家族のように和気あいあいとした雰囲気の中、「スタッフ全員が真剣に集中している」ところが気に入ったといいます。

秋葉原のフレンチレストランで働くラファエル(写真右)。円安のおかげで交通費以外は安く感じるといいます(写真:筆者撮影)

私が最初日本に来たときは、住所がシステマチックではないため、どこに行くにも「花屋を左」「お蕎麦屋さんを右」と言ったように、場所を覚えたり、探すのに苦労した覚えがあります。ですが、今はグーグルマップがあれば世界中どこでも自分の知っている近所のように動き回れます。実際、ラファエルも「東京の街は便利」と言ってはばからず、どこに行くにも近くに何があるかよくわかっているようでした。

ラファエルはまた、滞在中にW杯のサッカー日本代表の試合を見て楽しむことができました。上野のスポーツバーでは、負けても応援をやめないサポーターに感動していました。

東京の地下鉄は複雑すぎる?

11月に2週間ほど初来日したフランスのコメディアンのナタリーには、フランスのラジオ局「Europe 1」の番組で、日本について語ったときに出会いました。彼女は特に京都が印象に残ったそうで、紅葉や永観堂の夜間拝観、そしてあらゆるレベルの実用主義に魅了されたといいます。

一方でパリ出身である彼女にとっても、東京の大きさは「怖いほど」だったそう。特に地下鉄路線図の複雑さにおじけ付き、基本的にはどこへ行くにも歩くようにしていました。ただ東京ほど大都市は歩いて回るのは無理があります。

一度、彼女と両国で待ちわせた際も、彼女はなんと日本橋から歩いてやってきました(電車で来ることを勧めたのですが……)。その後、私たちは英語で落語を楽しんだり(外国人からの人気が高まりつつあります)、茶道に挑戦したりしました。日本の文化や伝統に触れられる機会はこれまで以上に関心を持たれているようです。

そんな日本を絶賛するナタリーが不満に思ったことは?「江戸東京博物館が休館していたことと、全国旅行支援の影響で東京と京都のホテルの週末予約が難しかったこと」だといいます。ですが、そのおかげで「カプセルホテル」を体験することができ、この体験もフランスで伝えていきたいと話していました。

今後も、日本に「戻ってくる」外国人の数は増えていくことが予想されますが、外国人が日本に求めていることや体験はコロナを経ても大きくは変わっていません。治安やサービスの良さ、人の親切さ、変わらない伝統や文化――日本に必要なのはけっして奇をてらうことではなく、ありのままのよさに磨きをかけることかもしれません。

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ドラ・トーザン 国際ジャーナリスト、エッセイスト

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Dora Tauzin

フランス・パリ生まれの生粋のパリジェンヌ。ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業。国連本部広報部に勤務ののち、NHKテレビ『フランス語会話』に出演。日本とフランスの懸け橋として、新聞・雑誌への執筆、テレビ・ラジオのコメンテーター、講演会など多方面で活躍。著書に『フランス式いつでもどこでも自分らしく』『パリジェンヌはいくつになっても人生を楽しむ』『好きなことだけで生きる』などがある。2015年、レジオン・ドヌール勲章を受章。公式ホームページはこちら、 Facebookはこちら

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