エンジン本体や排気系が発する音についても、グローバルで厳しくなっている音量規制なども考慮したうえで、“ほど良い”ところに落ち着いている。このようなさまざまな観点を鑑みて、RX500hはハイパフォーマンスモデルでありながら、けっして“尖ったモデル”ではないことがわかった。
これまでもレクサスでは、ベースモデルに対してよりパフォーマンス性の高い「F SPORT」を用意してきたが、それらの多くはサスペンションセッティングの変更、ハイパフォーマンスタイヤの採用、そしてメッキを抑えエアロパーツなどを装着するなどの内外装の演出にとどまっていた。
その他に、「IS F」のように大排気量エンジンを搭載するなどして、モータースポーツを想起させる“尖ったモデル”を「F」として導入してきた。
一方、RX500h "F SPORT Performance"はRX全体のフラッグシップであり、そこを起点にRX全グレードに“RXらしさ”がフィードバックされていくイメージである。実際、大野氏もRX全体におけるRX500hの重要性を強調している。
レクサスのコアモデルとして
RX500hが登場した背景を深掘りしてみたい。まずは、レクサスブランドの中で「LX」「NX」「UX」といったSUVラインナップ、それぞれのモデルの立ち位置が明確になってきたことが挙げられる。
レクサスの資料によれば、2017年から2021年までの5年間で、レクサスのグローバルでのモデル別販売比率は、RXが28%、ESが23%、NXが21%だった。また、同期間の日本市場ではRXが22%、NXが21%、UXが15%となっている。RXとともに、ひとまわりコンパクトなSUVであるNXの需要が拡大しているのだ。
結果として、NXの製品性がスポーティ性を強調することでより明確になり、これがグローバルで好評を得たため、NXの上級モデルであるRXの目指す方向やこれからの“伸びしろ”を、レクサス開発陣がイメージしやすくなってきたといえるだろう。
また、別の見方もできる。主力市場別での顧客層の差を踏まえた、“次の一手”も必要な時期なのだ。
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