乗り味としてはズッシリとした高級感があり、ステアリングの手応えはガッチリしていて、パワーとトルクはまさに潤沢。21インチのタイヤはミシュランがRX500hのために専用開発したという高性能仕様であるにもかかわらず、乗り心地がとても良いのも印象的だった。
レクサスが言う「対話できるクルマ」という意味が、ハイパフォーマンスなRX500hで体現できている。
具体的には、クルマの骨格がしっかりしているうえで、足が柔軟によく動く。そこに最新の電子デバイスが、うまくバランスしている。そんな仕上がりになっているのだ。
近年、日系メーカー各社や欧米メーカーの電動車に乗ると、クルマの動きの制御に“電気じかけ”を強く感じるケースが少なくないのだが、新型RXは「クルマとしての素性をよくすることが第1」という設計・開発思想が、奏功していると感じる。
クラウンとの共通性はあれど
技術面で見ると、RX500hはプラットフォームにトヨタ/レクサスでいう「GA-K」を採用し、リアサスペンションには新設計のマルチリンク式を採用している。
また、動力系は新しい4輪駆動システム「DIRECT4」とし、車体前部に2.4リッターターボ・パラレルハイブリッドシステム、そして車体後部にモーターやインバーターを一体化したeAxle(イーアクスル)を搭載している。
こうした基本構造には新型「クラウン」との共通点が少なくないが、RXはクラウンよりボディが大きく、車高が高く、さらにレクサス開発陣の共通認識である「レクサスらしい走り」という観点で徹底的に作り込まれている。
eAxleについては、筆者は2019年時点でその原型を体感している。レクサスが、トヨタ東富士研究所内で行った、次世代レクサス技術を搭載した各種プロトタイプへの試乗会・情報交換会で、セダンの「ES」を用いた実験車に乗ったのだ。
そのときはまだ、コーナリングでクルマの後部が積極的に回り込んでいくのがはっきりとわかる“電気じかけ”であった。それが、RX500hでは制御などが熟成され、eAxleは縁の下の力持ちとしてうまくバランスされるようになっていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら