レクサスの最上級SUV(スポーツ多目的車)である「RX」が5代目にフルモデルチェンジを果たした。ただし、国内での発売は今秋の予定で、公開された詳細は、プロトタイプと但し書きがある。車体寸法などからすると、競合車はメルセデス・ベンツ「GLE」やBMW「X5」などとなるだろう。
ドイツの競合を視野に入れるとするなら、走行性能の高さは不可欠な条件だ。プレスリリースを見ても、第一に挙げられているのが走行性能の高さの追求である。
先代から底上げされた基本性能
トヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)で「カムリ」などに採用されてきたGA-Kプラットフォームを改良し、軽量化と低重心化を進め、リアサスペンションにはRX用として新開発のマルチリンク式を採用したとする。このため、GA-Kプラットフォームの後半部分はRXのために新開発となった。その上の車体部分も強化されたという。優れた操縦安定性には、後輪の役目が重要で、その後輪の位置決めを左右する車体後半とリアサスペンションがより強化されたかたちだ。
車体全長は従来と同様だが、ホイールベースとトレッドをそれぞれ拡大している。軽量化については、前のフェンダーをアルミニウムとしたほか、車体中央の支柱に超高張力鋼板を使うなどにより、車両重量を90kg軽くしたという。これは成人の体重以上で、その効果は運転操作に対する反応を早め、走行性能に大きく影響するはずだ。
空気抵抗の低減では、そのための対策をブレーキの冷却に加え、接地感覚や操縦安定性の向上にもつなげている。車格で下となる「NX」で採用済みの静粛性向上の策も用いられている。NXの試乗では、格段の静粛の向上を実感した。上質な乗り味は、上級車格のRXではいっそう高級車然としたSUVの風格を覚えさせるのではないか。
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