「レクサスIS」登場7年の今、驚くほど激変した訳 価格据え置きながら走りも姿形もまるで別物だ

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リアスタイルを見ても、一部改良ながら“別物”とわかる。(IS300h“version L”(ソニックイリジウム)<オプション装着車>)(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

現行モデルのデビューが2013年だから、つまり7年という月日を経ながら、新型レクサス「IS」は従来型から基本骨格を継承する、いわゆるビッグマイナーチェンジというかたちで開発された。

レクサスのFR(フロントエンジン・後輪駆動)モデルではフラッグシップの「LS」「LC」ともにGA-Lと呼ばれる最新のプラットフォームを使っていることから、新型ISも当然、それを用いてフルモデルチェンジされると考えられていただけに正直、最初は驚いた。世の論調も「セダン不振で台数が出ないから、コストダウンのためにこうなった」というものばかりなのだが、開発陣に話を聞いてみると、意外や理由はそうした後ろ向きのものではなかったようである。

大きくしない、重くしない、値段を上げない

レクサス インターナショナルの小林直樹チーフエンジニアによれば新型ISは「サイズを1mmも大きくしない」、「重量を1gも重くしない」、「価格を1円も上げない」というコンセプトで開発に着手したという。そこに込められたのは「そうすることでFRコンパクトスポーツセダンとして光るクルマを作りたい」という思いだ。

IS350“F SPORT”(ソニッククロム)<オプション装着車>(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

その背景には世界的なセダン不振がある。今や乗用車の主流はSUVで、かつては花形だったセダンには活気が無い。そんな中、惰性でこれまでの延長線上のクルマ作りをしていては、セダンもFRも存続できないのではないかという危機感があったのだという。実際、LSとISの間に位置していたGSは昨夏、販売を終了している。ISだって、いつそうなってもおかしくはない。

一方で、2020年よりレクサス インターナショナルを率いる立場となった佐藤恒治プレジデントは別の機会に「FRはプレミアムカーブランドの通行手形のようなもので、やめるわけにはいかない」とも話していた。では一体、どうやってISの存在を再び光り輝かせ、セダンの、FRの、存続につなげるのか。それが大きくしない、重くしない、価格を上げないというコンセプトだったのだ。

冒頭に挙げたGA-Lは、高いポテンシャルを備える一方で、LCやLSといったモデルを念頭に生み出されたことから、そのまま使えば車体は大きく、重くなる。そこで開発陣は、GA-Lを使わずに既存のプラットフォームをベースに理想のFRコンパクトスポーツセダンを作れないかという模索、検討を始めたのだという。

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