「大野さんのおっしゃっていたことが、本当によくわかりました」
新型レクサス「RX」を試乗した直後、筆者の口からそんな言葉が自然に出た。大野さんとは、新型RXのチーフエンジニアを務める大野貴明氏のことである。
今回、「RX500h "F SPORT Performance"」を山間部や高速道路で、「RX450h+"version L"」を山間部で走らせる機会を得た。そして、グローバルでレクサスのコアモデルとなるRXは、今回の5代目で大きな飛躍を遂げていたことを確信した。
「正常進化を超える変革」を
新型RXは2022年6月1日に世界初公開され、日本でもそれにともない都内で他のレクサスモデルを加えた形で実車がお披露目された。その際、筆者はチーフエンジニアである大野氏と、製品開発の経緯などについて簡単な意見交換をしている。
そして12月に入り、富士スピードウェイを起点に実施された報道陣向けレクサス試乗会で、改めて大野氏をはじめとしたレクサス関係者に、RXに関する市場動向や顧客特性などについて詳しく聞いた。
先代RXを振り返ってみると、マイナーチェンジ時に溶接方法などを見直すなどして、走りの質感が大きく上がった点を筆者は実感していた。
今回のフルモデルチェンジでは、そうしたこれまでの一時改良の次元を超えた、いわゆる正常進化を超える変革をレクサス側は強調している。この変革を確認するのが、今回の試乗会の主眼だ。
まさに百聞は一見にしかず、である。新型RXの最上級グレードであるRX500hとプラグインハイブリッド車のRX450h+を実際に走らせてみると、大野氏がこれまで何度も丁寧に説明してきた「上質な乗り心地と高い静粛性とハイパフォーマンスの融合」をしっかりと理解することができたのだ。
そのあとに乗ったRXのベースモデルというべき「RX350"version L"」の前輪駆動車でもRX500hと同じルートで走行したことも含めて、レクサスが新型RXで追求してきたことの全体像を掴むことができたと思う。
具体的に述べていこう。RX500hは、ハイブリッドにもかかわらず“電気じかけに感じない”ことが好印象だった。その上で、プラットフォーム(車体)を刷新していることでの“素性の良さ”がしっかりわかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら