自分が変わるとはどういうことか
この1000日間で自分は変わったか?
変わった気はするが、そうした問題を気にしなくなったと表現したほうが近い。変わらなくては、という切迫感が薄れた。自分というものに圧迫される感覚が減った。
自分を変えようという発想そのものに間違いがあったように思う。変わりたいと思うほどに変われない。こんな自分はもう嫌だと強く思うほど、きのうと同じ自分が維持されてしまう。そんなジレンマがあったのだが、じつは、これは当然のことで、自分を変えたいと言うとき、その人間はひたすらに自分のことを考え続けている。
自分はこんな人間だ。自分はこんな性格だ。自分にはこんな過去がある。そうして自分を踏み固めるように確定させた上で、そんな自分を変えたいと最後に考えている。
それは、自分に強烈に感情移入しながら同時に自分を殺そうとするようなもので、そもそも矛盾した発想だったんじゃないか。
自分を変えようとすることは、古い自分を殺そうとすることで、基本的には、血なまぐさい発想なのだと思う。人はハエや蚊を平気で殺す。見なければ見ないほどに殺せる。意識しないほど殺すことは容易になる。しかし自分を変えたいと言うとき、自分を見つめながら自分を殺そうとしており、当然、殺すことは難しくなる。
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