2023年政局「反撃」高市氏vs「存在感」稲田氏の行方 ダークホースは青木氏の秘蔵っ子「女性議員」
防衛費の増額をめぐる増税論議で、閣内(高市早苗経済安全保障担当相と西村康稔経済産業相)、そして自民党執行部(萩生田光一政調会長)からも異論や反論を浴びた岸田文雄首相。安倍晋三元首相亡き後、事実上、安倍派を束ねる森喜朗元首相の手助けで、安倍元首相に近かった3氏をなだめ、どうにか事態を収拾した。
そして、新年早々のアメリカ訪問に向け、今年5月、バイデン大統領と交わした「防衛費の相当な増額を確保する」という約束を、これまたどうにか果たせる環境を整えた。
支持率が低くても安定の岸田政権
内閣支持率が30%を切る世論調査もあるなか、岸田政権は極めて低空飛行ながら、当面は政権を維持し続けられると筆者は見る。それはなぜか。その答えは極めてシンプルだ。岸田首相に取って代わる実力者が不在だからである。
最大派閥の安倍派は後継者が決まらず、前述したように森元首相が不協和音を抑えている状態。第2派閥の茂木派は、派閥の長である茂木敏充幹事長と、陰の実力者、青木幹雄元参議院会長が犬猿の仲だ。第3派閥の麻生派は、麻生太郎副総裁と河野太郎デジタル担当相のミゾが埋まらず、派閥を挙げて河野氏を推すという状況にない。
第4派閥の岸田派とほぼ同規模の二階派は、御年83歳の二階俊博元幹事長が健在ではあるが、派内に次を狙える人物がいない。
12月19日、筆者が所属する在京ラジオ局の特番収録に臨んだ岸田首相は極めて元気で、2023年5月、地元・広島で開催されるG7サミットについて「議長国としてリーダーシップを発揮しなければならない」と意欲を見せた。「永田町の一寸先は闇」といわれるが、担当記者に聞けば、降板の可能性など微塵も感じられなかったという。
そんななかで注目されるのが、高市氏と稲田朋美元防衛相、そして小渕優子元経済産業相の3人である。
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