73歳チャールズ英国王が抱える「一番の問題」 本人のイメージは回復も、家族の問題が山積
かつてこれほど王位継承の覚悟ができた跡継ぎはいただろうか。
エリザベス2世の長男、王になるために生まれてきた男、英国王政の歴史の中で誰よりも長く王位継承者に指名されていたチャールズ皇太子が、9月8日に即位した。国王チャールズ3世として彼は、世界で最も重要な立憲君主制国家の君主、最も由緒ある王家の当主、そして荒波にもまれる国の永続性のシンボルとして君臨する。
不器用で自信のない青年であった彼は不幸な中年夫となり、そしてその後73歳にして自信に満ちた白髪の立派な紳士となり、気候変動や環境保護といった、かつては風変わりだったが今では時代と奇妙にマッチしてきた活動に深く傾倒している。
エリザベス女王のイメージと比べると
チャールズ国王が今後、母親と同等の尊敬や愛情を享受できるかどうかはまた別の問題である。25歳で即位したエリザベス女王は、ほとんどのイギリス人の寿命よりも長く在位し、世界中に領土を広げた帝国からEUの不本意な加盟国、そしてブレグジット後の不確かな未来へと激動の道を歩んだ国を、ストイックな尊厳を持って支えてきた。
それに比べると、おそらく必然的なことに、チャールズ国王の旅はあまり称賛されてはこなかった。ダイアナ妃との結婚生活はタブロイド誌の見出しと相互の不倫疑惑の中で崩壊したが、多くの人々にとって、それが国王の生涯の決定的な出来事であり続けている。
1990年代半ば、チャールズ国王は公的生活においてどん底の状態にいた。「スキャンダルで傷がついた世継ぎからは王位継承の資格を剥奪すべきだ」「王位を1世代飛ばして、世間の評判が悪くない長男のウィリアム王子に渡すべきだ」との批判すら起きていた。