73歳チャールズ英国王が抱える「一番の問題」 本人のイメージは回復も、家族の問題が山積
近年は、女王の公務のうち、外遊やナイト爵位の叙爵などいくつかを代行していた。リメンブランス・デー(第1次世界大戦休戦記念日)には、女王に代わってイギリス戦没兵士慰霊碑に花輪を供えた。議会開会式では、女王をウェストミンスター宮殿にエスコートした。
緊迫した政治問題に踏み込むことも厭わなかった。事あるごとに宗教的寛容を擁護し、イスラム教への偏見を批判した。2005年にロンドンで発生したイスラム過激主義者による一連のテロ攻撃の後、イスラム教徒に対するバックラッシュが起こる可能性を低減するうえで、チャールズ国王のそれらの発言が貢献したと評価する人もいる。
ボグダナー教授は、「ナイトクラブに行ったり、何もしないで過ごすこともできたはずなのに、彼は役割を見つけたのだ」と言う。
政治的なスタンスが垣間見えることも
はっきりと意見を述べたことによって窮地に立たされたこともあった。1984年にナショナル・ギャラリーの拡張案を「誰からも愛される優雅な友人の顔にできた巨大なできもの」のようだと揶揄したのは有名な話だ。
計画は廃案になったが、数年後、著名な建築家らが、自分が気に入らない設計案が不利になるように裏でロビー活動を行うのは憲法上の役割の乱用だとチャールズ国王に対する苦情を述べた。
国王として、チャールズ3世は自分の意見を胸にしまっておかなければならない。彼の母親はとても控えめで、王室ウォッチャーはブレグジットのような激しく議論される問題でさえ彼女の立場を読み取れなかった。
チャールズ国王もまた、ブレグジットについて意見を言わないように気をつけていたが、2020年にドイツ議会で「どの国も真の島ではない」と、ドイツとイギリスとが協力し続けるよう訴えたときに、彼の考えを垣間見ることができた。