「学校の宿題で苦しむ親子」…その大きすぎる弊害 一律に出される宿題、それ本当に必要ですか?

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5,ストレスをため込み、暗い気持ちで過ごす時間が長くなる

宿題のことが頭から離れなかったり親から叱られたりすることで、子どもはストレスを抱え込みます。当然、暗い気持ちで過ごす時間が長くなり、精神衛生上よくありません。

性格が暗くなる・病気になる・友達や兄弟とのトラブルが増えるなどのリスクもあります。実際、私が知り得た例として、ある小学4年生の子は宿題のことで胃腸炎になったそうです。この場合、親が先生に事情を話して宿題を本読みだけにしてもらったら治ったとのことです。

宿題が出される主な目的は2つ

では、そもそも宿題は何のために出されるのでしょうか? それは主に次の2つの目的のためです。

1,学習習慣をつけるため
2,学力を上げるため

でも、実際はこの目的に反した結果になっていることが多いのが実状です。自分に合ってない勉強を押しつけられることは苦痛なだけで、学習習慣をつけるどころか勉強への嫌悪感や苦手意識が強まる可能性のほうが大きいです。当然、学力を上げることにもつながりません。

では、どうしたらいいのでしょうか?

まず先生たちにお願いしたいのは、想像力を働かせてほしいということです。例えば、「これだけの宿題をこの子が家庭で本当にやることができるのか? それにどれだけの時間がかかるのか? やらせるために親がどれだけ苦労するのか?」などについて真剣に考えてみてほしいのです。

子どもは帰宅してからもやることはたくさんあります。食事・入浴・家族との会話や触れ合い・お手伝い・ペットの世話・習い事・塾……。遊びも含めて自分がやりたいことを自由にやる時間も大切ですし、ぼうっとする時間も必要です。

先生がちょっと考えてみれば、「この子にはこれだけの宿題は無理だな」とわかることも多いはずです。でも、そのように考えることをしないまま、思考停止状態で一種の惰性のように宿題を出していることが多いのではないでしょうか?

そもそも、現状では子どもたちの学力差が大きく、授業中にも勉強に集中できない子、集中していたとしても学力の不足で課題がこなせない子もたくさんいます。そのようにプロの先生の指導のもとでも満足のいく勉強ができない子たちが、はたして家庭でどれだけの勉強ができるのでしょうか? それを考えずに家庭に丸投げしてはいけないと思います。

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