次に取り組んだのが、新宿東清掃センターとともに行ったごみ袋への有料シールの貼付の徹底である。当時は街の衛生状態を保つため、有料シールを貼付しなくてもごみを収集していた。しかしそれでは不公平となる。
新宿東清掃センターは、2020年10月1日以降は有料シール未貼付のごみを収集しないと決め、新宿二丁目の全事業者(約800事業者)を対象に、「事業系有料ごみ処理券貼付のお願いチラシ」をビルのポストや入り口に投函して周知していった。9月中旬まで6回にわたり断続的にチラシが投函された。
一方、二村氏は8月、新宿二丁目の中心スポットとなる交差点の自社ビル(ニューフタミビル)の壁に、注意喚起のビラを拡大したポスターを掲示して、ごみ排出者への注意を喚起した。
ごみがごみを呼ぶ…
残りの懸案事項は日曜日の収集であった。「ごみがごみを呼ぶ」ことから、排出されるごみがその日のうちに収集されるような仕組みが必要であった。
二村氏は廃棄物処理業者数社をあたったところ、採算が合わず断られ続けたが、「白井エコセンター」からは協力してもらえるという返事がもらえた。新宿区の有料シールと同額で、毎日の収集サービスを受けられるという大変有用な提案であった。
これは「白井エコセンター」が推進するDXにより実現したサービスでもあった(参照:「『可燃ごみが減った』座間市の画期的な取り組み」)。この提案を受けた二村氏は、自社ビルや管理を任されているビルのごみ収集を同社に切り替えるようにし、まずは50店舗から始めていった。
2020年10月から始まった白井エコセンターの収集により、日曜日も含めた毎日の収集がなされるようになった。分別もなされるようになり、週末に見られたごみ山が消え、不法投棄も減少した。また、有料シールの貼付率も上がり、ルールが遵守されていくようになっていった。これまでの新宿二丁目を見てきた人にとっては、見違えるような街へと変貌を遂げた。
現在では、白井エコセンター、広陽サービス、中野運輸の3社で連携して収集を行い、緊急・災害時のBCP対策にも取り組んでいる。
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