ごみの無法地帯「新宿二丁目」を変えた男性の闘い 洗濯機が不法投棄、山積みになったごみ…

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ごみの無法地帯化した新宿二丁目の惨状は、その状況を見かねた新宿二丁目で不動産業を営む二村孝光(ふたむら・たかみつ)氏(42)の行動で変わっていった。

二村孝光さん。毎朝出社前にごみ拾いを行っている(写真:二村孝光さん提供)

ごみがあふれる状況を子どもに自慢できない

二村氏が新宿二丁目のごみ問題について考え始めたのは2015年頃からである。子どもとともに近くの花園神社の祭で新宿二丁目の通りをみこしや山車で通ったときに、ごみがあふれる状況を子どもに自慢できないと思うようになった。

さらに、二丁目のママで構成される新宿二丁目振興会から、客がポイ捨てする問題、日曜日の収集、公園での飲食後のごみの散乱といった問題が不動産業を営む二村氏に相談されたことも契機となった。

二村氏は新宿東清掃事務所の協力をとりつけ、ごみ山となっている集積所を廃止して各ビルの前にごみを排出するように分散させ、ごみの排出に責任を持つ取り組みを始めた。二村氏の所属する町内会がビルのオーナーの了解を取りつけてビル前に集積所を確定すると、二村氏はビル専用の集積所であることを示すポスターを自作して周知していった。

自作したビル毎の専用ごみ置場のポスター(筆者撮影)

ビル管理会社からは「ほかが守っていないのに、なぜうちだけがビルの前に集積所を作らないといけないのか」や、テナントからは「うちの店の前に不法投棄が頻繁にされていて困っている」と言われることもあった。しかし、約2年間かけて取り組んでいった結果、排出状況が悪かった集積所7カ所を廃止し、新たに59カ所をビル前へと変更させた。

結果、ごみの排出者やテナントのオーナーにごみ排出への責任が自覚されるようになるとともに、不法投棄が抑制されていった。とりわけ不法投棄が絶えなかった成覚寺裏の集積所の分散・廃止はかなりの効果をあげ、街の美化を実感できるようになった。

廃止された成覚寺裏集積所(写真:二村孝光さん提供)
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