ごみの無法地帯「新宿二丁目」を変えた男性の闘い 洗濯機が不法投棄、山積みになったごみ…

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新宿二丁目のごみ問題解決へ向けた対策が進められていく中、ボランティアのごみ拾いも同時に行われるようになっていった。

2020年7月23日の様子。海の日はブルーサンタのコスチュームで行う(写真:二村孝光さん提供)

1つは、二村氏が2017年6月に立ち上げた「2丁目海さくら」である。毎月1回、新宿二丁目に関心を示すボランティアが20~30人程度集まり、約30~40分間、街の雰囲気を感じて歓談しながら楽しく街をきれいにしていく取り組みである(詳しくは、Twitter 「2丁目海さくら」を参照)。筆者も参加しており、さまざまな出会いや情報交換の場となっている。

二村氏が海さくらの参加者にごみ拾いの箇所を説明する様子(筆者撮影)

もう1つは、二丁目のママ有志によるごみ拾い活動である。2020年4月の緊急事態宣言の発出により休業要請がなされ、お店は臨時休業せざるをえない状況に追い込まれた。これが契機となり、「できることを始めてみよう」と声をかけ、ごみ拾い活動が始まった。2020年5月から始まるこの活動は、その後も毎週水曜日の夕方に行われ、現在も続いている(詳しくは、Twitter「新宿二丁目振興会【公式】」を参照)。

ごみ出しに大きな変化

こうした活動により、自分たちの街に関心を持つようになった人が増え、分別をしっかりと行い、有料シールを貼付したうえで適切なごみ排出する人が増え、新宿二丁目のごみ出しに大きな変化が現れるようになった。

清掃活動中のゲイバーのママさんたち(筆者撮影)
ごみ拾いの様子(筆者撮影)

一時の取り組みではなく、2022年に入ってからは、「2丁目海さくら」への参加者が増加しており、かなり賑やかなごみ拾い会に変わりつつある。

その1つは、新宿二丁目に事業所を擁し、ビルクリーニングサービスなどを手掛けるアクアの皆さんの参加である。元々会社の地域貢献として月1回、第2土曜日の早朝に全員で会社の周りのごみ拾い活動を行っていた。それに加え社会貢献をテーマにするチーム活動も展開しており、Twitterで「2丁目海さくら」の活動を知り、毎回約20人近くの皆さんが参加するようになってきている。

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