試験で失敗する人は「記憶のしかた」を知らない 記憶のプロが教える、資格に受かる「超鉄則」

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「記憶」というものには定義があります。上記のケースでは「思い出す」ということに焦点が当たっていますが、これは記憶の定義の単なる一工程にすぎません。記憶というものは、「記銘(覚える)」→「保持(覚えておく)」→「想起(思い出す)」という工程を経て、初めて「記憶」と呼べるものになります。

(提供:KADOKAWA、図版:ヤギワタル・梔図案室)

物を置いた場所や人の名前は、「記銘(覚える)」という工程を経ていない情報であり、そもそも記憶にすらなっていないため、思い出せないのも当然なのです。

そこでまずは、「記銘」の工程が重要になります。この記銘のところで「記憶の技術」を使うことにより、誰でも効率的にたくさんの記憶ができるようになるのです。

つまり、記憶力の良し悪しは「覚え方を知っているか知らないかの違いでしかない」ということ。これから、「知識」を正しく「記憶」に変え、大事な資格試験で結果を残すための鉄則を3つ、ざっと紹介しましょう。

鉄則1 数学も、結局は「記憶次第」とも言える

勉強を進める上でまず皆さんに知っておいていただきたいのは、結局「試験」と名のつくものは「記憶の量」で決まる、ということです。

世の中には、入学試験や資格試験などさまざまな「試験」が存在します。試験の方法についての是非はさておき、現実を見れば、ほとんどの試験の結果は記憶の量に左右されるといっても過言ではありません。

このことは、数学のような論理的思考力が必要な科目にも当てはまります。純粋な学問としての数学なら、暗記が必要になる場面はさほどないでしょう。けれども、証明などといったことが求められていない、つまり習った範囲の内容をアウトプットすることだけが求められている場合には、数学でも記憶が占める要素はかなりあります。

どのあたりに記憶が関係してくるのかといえば、数学の場合は「解法パターン」を覚えることがそれに当てはまります。数学という学問の本質や理想からは離れているかもしれませんが、試験では基本的に、出題範囲で定められた内容以上のものは出題されません。それならば、おのずと解法パターンも限られてくることになります。

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