試験で失敗する人は「記憶のしかた」を知らない 記憶のプロが教える、資格に受かる「超鉄則」

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ただし勘違いしていただきたくないのは、「解法パターンを覚える」というのは例題の解答を丸暗記することではない、ということです。解法パターンを“使える記憶”にするためには、前提としてそれを「理解」していることが必要。なぜその解法の流れになっているのか、暗記以前に、それをちゃんと知っておかなければならないわけです。

ここでは数学を例に挙げましたが、解法パターンが存在する、もしくはパターン認識能力が必要とされるものに関しては、ほかの試験でも考え方は同じです。

鉄則2 「着実さ」よりも「スピード感」

資格試験で、出題範囲が決まっている場合の学習を進めるときに必ず意識してほしいことがあります。それは、「最初に全体像を把握する」ことです。

性格的なタイプとして、何事もじっくり着実に進めようとする人がいます。暗記するにしても1カ所に時間をかけ、納得いくまで次に進まないようなタイプです。

教養を身につけるためなど、時間をいくらかけても構わないという類の勉強であれば、じっくり進めることになんら問題はありませんが、試験勉強となると話は別です。

試験勉強では、本番までの時間も学習の範囲も決まっています。細部にこだわりながら学習を進めてしまうと必然的にスピードが遅くなり、前に学習したものは記憶が薄れていってしまいます。

人間の脳のメカニズムでは、1度で記憶が100%定着することはありません。これはどんな天才でも同様です。記憶には忘却の特性というものがあり、どんな人でも時間と共に必ず低下していきます。

(提供:KADOKAWA、図版:ヤギワタル・梔図案室)

試験勉強における記憶の定着法は、「じっくり1回」よりも「速く何度も」ということを絶対に意識しておいてください。

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